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Technical Advice
加工条件

はじめに

スパロール加工は口一ラによる押しつぶし加工法ですから、仕上げ面粗さは押しつぶす山の高さと形状、すなわち前加工の状態に左右されます。
前加工が粗い(山が高く谷が深い)と押しつぶした山で谷をうめきれず谷が残りますので、仕上げ面が粗くなります。

また山の形状も仕上げ面に影響します。旋盤や中ぐり盤によるシングルポイント・カッテイングによる規則的な山谷の形状で、最も押しつぶしやすい山の高さの時に最高の仕上げ面が得られます。

一般的に前加エの粗さが良い程仕上げ面も良好で、スパロールの消耗も少なくなります。前加工の工程が、増加することも考えられますので、総合して検討する必要があります。
前加工寸法

スパロール加工は口一ラによる押しつぶし加工法ですから、押しつぶされた量だけワークの径が変化します。(内径は拡大、外径は縮少)
仕上げ寸法公差内に加工するためには、この径の変化量を考慮して前加工寸法を出すことが必要です。

径の変化量は材質、硬度、バニシ量によって変わりますので、最初2〜3個の加工品でテスト加工を行い、最良の値を決めてください。
駆動機械

スパロールは回転と送りさえかければどんな機械にでも加工でき、特別な駆動機を必要としません。

なおスパロールはモールステーパシャンクまたはストレートシャンクを標準としています。 スパロール加工は切削加工と違い高トルクを必要としないため、駆動機の動力も小さくてすみ、 汎用ボール盤、旋盤、夕レット盤、中ぐり盤、ドリルユニットなどに取付けて簡単に使用することができます。
潤滑と洗浄

スパロール加工の際には流動性の高い工作液をご使用ください。
スパロール加工は口一ラで押しつぶすため微細な粉塵が発生し、これが仕上げ面に悪影響を及ぼすと同時に、スパロールの消耗を早めます。 したがって工作液を多量にかけてこの粉塵を洗浄する必要があります。 粘性の高い工作液の場合、潤滑性は良いのですが洗浄性が悪いので不適です。

当社ではスパロール加工専用の「スパロールオイル」を準備しています。 低粘度の油性工作液に5%添加するだけで優れた性能を発揮します。
加工部の肉厚

スパロールは加工部の表面を口一ラで転圧して緻密に仕上げます。
したがって、この加工圧に耐えるため、加工部は充分な肉厚(内径の20%以上)が必要です。
肉厚が薄い場台や部分的に薄い場合、加工後にウネリが発生したり、真円度が悪くなることがあります。
通常、次の方法でこの問題は解決されます。
1.バニシ量を小さくする。
2.治具を使って外周をサポートする。
3.肉厚を薄くする前にスパロール加工を実施する。
加工部の硬度

スパロールで加工できるワークの硬度はHRC40を限度とします。 ただし高硬度用としてHRC55まで加工できるスパロールも特別製作します。 また、キャッツアイなど、高硬度用のツールもご用意しています。

一般的に、硬度の高い加工部をスパロール加エするには大きな加工圧を要するため、ツール寿命が短くなります。 したがって、必要な仕上げ精度を得るための最小バニシ量で加工することが大切です。
回転速度と送り

スパロールは右回転で使用します。スパロールを固定し、加工物を回転させても同様の結果が得られます。
回転速度および送りは加工径により下表の値を標準としております。
加工できない部分

スパロールで止り穴や段付軸を加工する際、スパロール加工できない部分が生じます。その寸法Aは下表のとおりです。
1.口一ラの先端Rの部分
2.口一ラの先端からフレームの先端までの長さ
3.フレームの先端から加工部端面までの逃げ


注記:スパロール加工できない寸法を最小とするため、ツール径をセットしたのち、ローラ先端からのマンドレルまたはヘッドの出代はローラ先端と同じ位置まで研削除去してください。