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水中洗浄とは?

ウォータジェットによる高圧洗浄では、気中で洗浄する方法が一般的ですが、洗浄目的により水中で洗浄する方法もあります。
当社では独自に開発した水中洗浄法を「U-Jet」と呼称し、1985年から販売しています。ここでは、水中洗浄の洗浄効果について説明します。

水中噴射とキャビテーション

ウォータジェットを水中で噴射すると周囲の水の抵抗によってジェットの力は大きく低下します。
水中と気中で噴射した場合のノズル出口からの距離とジェット噴射圧力との関係を図1に示します。空中ではノズル出口からの距離が約100mmまではジェットが減衰しませんが、水中では約20mmから減衰し、約90mmでは1/2に低下します。
このように、水中でジェットを噴射すると水の抵抗で噴射力は大きく低下します。しかし、一方でジェットと周囲水の間でキャビテーションが発生します。半導体や精密機械部品の洗浄に広く使用されている超音波洗浄はこのキャビテーションを利用しています。
グラフ: 噴射力の比較
図1 噴射力の比較

キャビテーションとは液体内部で圧力が飽和蒸気圧以下に低下して沸騰し、微小気泡が生じる現象です。
水中噴射ではジェットと周囲水の間で渦が生じ、渦の中心部は台風と同様に圧力が低下してキャビテーションが発生します。 キャビテーションで発生した微小気泡は下流に流され、周囲の圧力が高くなると瞬時に押しつぶされます。
そのときに生じる数GPaにもおよぶ衝撃圧が激しい騒音を発生させたり、ジェット下流にある物体表面を損傷させます。水中洗浄ではキャビテーションの洗浄力とジェットの噴射力を相乗させています。

 

水中噴用ノズル「ホーン型ノズル」

水中でジェットを噴射することでキャビテーションは発生します。当社が開発した「ホーン型ノズル」は簡単な形状にもかかわらず、キャビテーションを効果的に発生させます。
このノズルは出口が末広がりのテーパ形状で、テーパ内への巻き込み水によってジェット周囲で渦の発生が促進され、キャビテーションが効果的に発生します。(図2)
また、ジェット下流で微小気泡が集まったキャビテーション気泡雲は一個の気泡より大きな破壊力があると報告されています。
ホーンノズル
図2 ホーン型ノズル

図3にホーン型ノズルとノズル出口がフラットな従来型ノズルで水中噴射した場合のレンガ壊食量を示します。 条件はノズル径1mm、圧力30MPa、噴射時間10秒です。
ホーン型ノズルの方は、従来型ノズルの方に比べて約10倍大きい壊食量があり、キャビテーションを効果的に発生させていると推定されます。また、最大の壊食量はノズル試料間距離がノズル径の40~50倍のときに得られています。当社の水中洗浄機は全てこのホーン型ノズルを使用しています。
グラフ: 壊食量の比較
図3 壊食量の比較

次にホーン型ノズルによる水中噴射の効果を写真1に示します。
水中と気中でレンガにジェットを噴射したところ、水中ではジェットが貫通し、また、その穴径も気中より約2倍大きくなり、水中噴射が気中噴射より優れた威力があることを示しています。 テスト条件はノズル径1.5mm、圧力30MPa、噴射時間10秒、ノズル試料間距離30mmです。
このようにキャビテーションを利用する水中噴射は、ホーン型ノズルを使用することで空気中より優れた洗浄力を発揮します。

写真1 レンガの壊食テスト

水中噴射
写真: 水中洗浄後のレンガ     写真: 気中洗浄後のレンガ
▲穴が貫通し、割れが生じた 気中噴射