【ニュースリリース】クローラ式小型作業ロボットを開発
2018年11月20日
産業機械メーカーの株式会社スギノマシン(富山県魚津市、代表取締役社長:杉野太加良)は、原子力発電所の廃炉作業などに向けた、ロボットアームを搭載したクローラ式小型作業用ロボットを新たに開発しました。国産で、量産用のロボットアーム搭載クローラ式小型作業用ロボットは、初となります。
1.背景
福島原子力発電所の廃炉に向けて様々な遠隔装置が求められる中、特に、重機が進入できない狭隘部で作業が行えるロボットが求められています。そこで、当社がこれまで開発・納入してきたロボット技術を応用して、重作業を想定した自走式小型ロボットを開発しました。
2.商品詳細
特長
① 幅80㎝、高さ105㎝で、狭いところを通過できる
② アーム5軸+ハンド1軸で自由な動きができる
③ 可搬質量50kg(最大100kg)で重量物に対応
④ 先端指示動作が可能
⑤ コントローラにジョイスティックを使用して、直感的に操作速度を調節可能
⑥ 制御通信に無線LANを使用 (バッテリー搭載で、完全無線化)
⑦ 転倒状態からロボット自身で起き上がることができる
商品・技術のポイント
①移動機構にクローラを採用し、折りたたみ可能なアームを搭載することで、狭い空間で移動・作業ができます。
②アームは3軸同時制御のため、ハンドの先端教示で容易にアームを操作することが可能です。
③アーム旋回部にはトルク保護機構を搭載し、装置転倒時のアーム破損を軽減します。
④クローラ台車の前輪側にはフリッパーを搭載し、重作業時の転倒防止と段差乗越えが可能です。
仕様
商品名 | クローラ式小型作業ロボット | |
用途 | 人間が長時間作業できない程の放射線環境下および不整地での遠隔作業 | |
外観寸法 | 幅800×奥行1,300×高さ1,050 mm(クローラおよびアーム収納時) | |
アーム 仕様 | アーム長 | 約1,500mm |
軸数 | 5軸(アーム部)+1軸(ハンド部) | |
可搬質量 | 最大100kg(アーム縮小時:100kg、アーム伸長時:50kg) | |
最大把持力 | 1960N | |
質量 | 約460kg(バッテリー含む) | |
販売開始時期 | 2019年4月 ※「ロボットフェスタふくしま2018」(*1) に出展予定 | |
分野・市場 | 原子力および一般産業(危険作業の代替など) |
用途・機能例
今後の意気込み
当社は、原子力発電所の保守・保全機器をこれまで長年にわたり扱ってきました。福島原子力発電所の事故から8年近くが経とうとしていますが、廃炉への道のりは長く、技術的に解決しなければならない課題は山積しています。当社は、これまで培った原子力発電所への知見や、ロボットをはじめとするコア技術を応用して、廃炉作業への貢献ならびに、安心・安全な社会の実現に向けて尽力します。
用語紹介・補足
*1 ロボットフェスタふくしま2018
災害対応、廃炉、医療・生活支援、ドローン、コミュニケーションなどの他分野にわたるロボットやシステム、関連技術を一同に紹介するロボット展。ビジネス商談に加え、23日は一般来場も受付けている。航空宇宙フェスタふくしまと同時開催。
URL :http://www.robotfesta-fukushima.jp/
日時:2018年11月22日(木)~23日(金)
会場:ビッグパレットふくしま(福島県郡山市南2-52)
主催:福島県
―本件に関するお問い合わせ先―
■株式会社スギノマシン■
プラント機器事業本部 生産統括部 第二技術部 PE設計課
TEL:(076)477-2514