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セルロースナノファイバー/金属ナノ粒子複合体 製造手法 スギノマシンと岡山県工技センターが開発

2017年4月20日

株式会社スギノマシン(本社:富山県魚津市、社長:杉野太加良)は、岡山県工業技術センター(岡山県岡山市、所長:産本弘之)と共同で、当社が製造販売する生物由来の新素材「セルロースナノファイバー(CNF)」(商品名:BiNFi-s(ビンフィス))に、シングルナノサイズ[1]の金属微粒子を均一に分散させた複合体を、従来法よりも簡便で、同サイズのナノ粒子を単独で得るよりも低コストで製造する手法を開発しました。

金属が持つ様々な特長を付与し高機能化できれば、CNFの利用分野がより拡大すると見込んでおり、CNFと銀、金、白金、パラジウムなどの貴金属との複合体に関する研究開発・評価を共同で進め、2018年度に商品として発売します。

金属微粒子とCNFの複合化は、既に実用化されていますが、多くの工程を要するため、生産性の高い手法とは言えません。同センターは、当社製の超高圧ウォータージェット処理装置で、CNF分散液と金属塩の混合物を短時間高圧処理するだけで、CNFが持つ還元機能が活性化され、金属微粒子がCNFに均一に分散した状態で効率良く析出する手法を開発しました。

金属微粒子は、処理条件を変化させることで数nm~十数nm程度の間で粒径を調整でき、直径10~20nm、長さ数µmのCNFに沿って網目状に析出するため、複合体として他の材料に添加しても凝集のリスクが少なく、その分散性や広い表面積を活かし、液状・フィルム状など利用時の形状を問わず、金属の機能性を引き出せます。

銀と複合化させたCNFシートに皮膚感染症の原因菌を載せ培養する抗菌性試験では、菌種によっては3週間以上も増殖が抑制されました。対象の金属は金、銀、白金、パラジウムなどで、それぞれ化粧品(美容効果)、燃料電池用触媒、消臭・抗菌機能付与製品、排気ガス浄化用触媒などへ利用が期待されます。

当社は同センターから実施権の許諾も得ており、自社の製造設備で同様の複合体を製造し、販売する計画です。
また今後はCNF以外のキチン・キトサンナノファイバーとの複合化も進めていきます。

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[1]一桁ナノメートルサイズ。10ナノメートル未満のサイズを指す。

 

開発品概要

提供形態  :BiNFi-sセルロース20 wt.% 水分散液と金属微粒子の複合体

微粒子濃度:水分散液に対し1 wt.%

微粒子径  :数nm ~十数nm

対象金属種    :金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)などの貴金属

販売開始  :2018年4月予定

サンプル  サンプル2

写真左… BiNFi-s/金属微粒子複合体(左:Au、中央:Pt、右:Ag)
写真右… BiNFi-s/Agナノ粒子複合体(TEM写真)

>バイオマスナノファイバー「BiNFi-s(ビンフィス)」シリーズの詳細はこちら


―本件に関するお問い合わせ先―

株式会社スギノマシン
経営企画本部 新規開発部 開発プロジェクト一課

TEL : 0765-24-5118  FAX: 0765-24-5119