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【ニュースリリース】環境配慮型の原料「セルロースナノファイバー(CNF)」活用に関する技術資料を公開

環境配慮型の原料「セルロースナノファイバー(CNF)」活用に関する技術資料を公開
既存ラインアップより繊維が長く細い BiNFi-s RMaタイプ


2023年2月7日

株式会社スギノマシン(富山県滑川市、代表取締役社長:杉野 良暁)は、自然由来のセルロースを原料としたナノファイバー*1(商品名:BiNFi-s、ビンフィス)の活用に関する技術資料(テクニカルレポート)を公開しました。

繊維長の異なるセルロースナノファイバー(CNF)を広く提供していく中で、市場からの要望が大きかった、より繊維長が長く繊維径が細いCNFとして、BiNFi-s RMaタイプを新たに追加し、ラインアップを拡充しました。このRMaタイプについて、既存のIMa(極長繊維)タイプとの違いや基礎物性等、役立つ情報をまとめています。

BiNFi-s

​スギマシンが提供するセルロースナノファイバー「BiNFi-s」

1.BiNFi-s RMaタイプとは

<開発背景>

CNFの物性を決定する重要な指標として、繊維長と繊維径が挙げられます。繊維長が長いほど補強性や増粘性が高く、繊維径が細いほど透明性や均質性が高くなります。当社では独自のウォータージェット(WJ)製法*2の技術を高めることで製造コストを維持しつつ、従来のBiNFi-sラインアップよりも繊維長が長く繊維径が細いCNFとしてRMaタイプを開発しました。

 

<特長>

・平均繊維径は9.6nm(SPM*3観測による)

・機械解繊CNFの中では最も細いナノファイバー

・SPMの視野角である5μmを超える長さの繊維が多く観察される

・解繊不足繊維の残存数が極めて少ない

・フィルムに成形したときの弾性率は、従来の長繊維タイプの約1.8倍

 

2. 技術資料(テクニカルレポート)について

今回の研究結果は、スギノマシンが発行している技術資料(テクニカルレポート)で詳細を報告しています。各種実験データを掲載し、実用化に向けた技術情報を紹介しています。

テクニカルレポートはスギノマシンのWebサイトからダウンロードいただけます。
◆ 詳細はこちら

 

【技術資料(テクニカルレポート)内容抜粋】

①RMaタイプの基礎物性

​​粘度、比表面積、重合度の測定結果を、既存のIMa(極長繊維)タイプと比較して示します(表1)。一般的に、繊維が長く細いほど分散液の粘度は高く、繊維が細いほど比表面積は大きく、また繊維が長いほど重合度が大きくなります。RMaはいずれの物性も高い数値を示しているため、IMaよりも長く細いと言えます。

表1

 

②残存する解繊不足繊維が極めて少ない

BiNFi-sは、化学処理を伴わずに機械的にナノファイバー化する方法(機械解繊)で製造しています。機械解繊CNFは事前に化学処理を行わないため、完全に解れていない解繊不足繊維がどうしても残存しますが、RMaはこれらの残存が極めて少なく、均質性の高いCNFとなっています。

 

③繊維長違いによる引張強度特性

各種繊維長のBiNFi-sを乾燥させることで100%CNFのフィルムを作製し、引張試験を行ったところ、RMaは従来の長繊維タイプに対して約1.8倍の高い弾性率を示しました。また最大応力も高いことから、樹脂やゴムのフィラーとしてのRMaには、従来のCNFを超える補強効果が期待できます。

 

3.用語・補足

*1 ナノファイバー
繊維を直径 100 nm以下、長さ 数µmのサイズへ微細化したもの

*2 ウォータージェット(WJ)製法
パルプ化した原料を水に分散させ、最高245MPaに加圧・噴射し、マッハ2のウォータージェット同士を斜向衝突させることで、原料を解し、ナノファイバーを作り出す方法

*3 SPM(走査型プローブ顕微鏡)
先端が先鋭化されたプローブを走査して表面構造を観察する顕微鏡の総称

 


―本件に関するお問い合わせ先―

■株式会社スギノマシン■

経営企画本部 新規開発部 開発プロジェクトグループ

TEL:(076)477-2572