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アーカイブ公開【JIMTOF2022】ワシントン大学客員教授 ダニエル・サンダース博士による特別セミナーを実施しました


2022年11月14日

スギノとミライへ 技術カンファレンス2022サンダース博士による特別セミナーの様子

 

ワシントン大学客員教授 ダニエル・サンダース博士による特別セミナー

サンダース博士によるセミナーの様子 JIMTOF2022で開催した「スギノとミライへ技術カンファレンス2022」にて、特別ゲストとして元ボーイング・シニアテクニカルフェロー、ワシントン大学客員教授のダニエル・サンダース博士をご招待し、「積層造形(AM)部品・鋳造金属部品の表面改質のためのCWJP・CASFプロセスの開発と航空宇宙、自動車、原子力、医療分野等への応用」と題し、最新技術について基調講演を実施しました。

 

サンダース博士によるセミナーの様子 講演では、CASF(キャビテーションによる表面研削処理及び圧縮応力付与)と、CWJP(キャビテーションウォータージェットピーニング)について、技術開発の歴史や工法の特長・効果、今後従来工法に取って代わる可能性、現在の活用事例についてご説明いただきました。また、CASF、CWJPの技術開発における、スギノマシンとの取り組みについてもご紹介いただきました。

 

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セミナー当日のQ&A

Q.1 キャビテーションピーニング加工は、どんな材料にも適していますか?
   それとも材料によって効果が違いますか?どのような材料が適していますか?

CWJPは比較的新しいもので、まだすべての材料に対してテストされているわけではありません。

チタン、ニッケル鋼(インコネル)などの硬い金属において、従来のショットピーニングと比べて、疲労亀裂の発生を防ぐためにキャビテーションピーニングが同等かそれ以上に効果的であることが分かっています。アルミニウムのような柔らかい金属は、まだ十分に検討されていません。

Q.2 製造業では、キャビテーションピーニングプロセスを標準プロセスとしてどの程度採用していますか?

原子力産業は、長年にわたりCWJPを利用してきました。例えば、ショットピーニングによる水冷貯水槽の溶接個所の割れ対策がCWJPに置き換わってきています。

現在、CWJPは研究開発段階を脱して航空宇宙や自動車分野で受け入れられつつあります。 しかし、一般産業への標準プロセスとしてはまだ採用されていません。 防衛産業では、一部で適用されています。 世界各国で独自に研究されています。

Q.3 キャビテーションピーニングは、他の流体でも可能ですか?
   可能であれば、処理する部品の特性にどのような影響を与えますか。

生理食塩水、油性の流体など、他の流体でもキャビテーションピーニングの効果があることが確認されています。 水は豊富で安価であることから、これまで処理媒体として選ばれています。

Q.4 CWJP,CASFの技術は現在どのように使われていますか?

今は、大学や航空宇宙関係企業からのテスト部品を請け負っています。

Q.5 SLM(レーザービーム方式)の積層造形では、粗さがとても滑らかです。
   PBF(粉末床結合)で造形したものにCASFを施すと似たような粗さにできますか?

可能です。

 


 

講師

ワシントン大学 機械工学科客員教授
(元・ボーイング社シニアテクニカルフェロー)
ダニエル・サンダース博士

ワシントン大学では、産学連携パートナーと新しいプロセスを用いた金属部品の表面平滑化のための疲労亀裂進展抑制について研究している。

CASF(キャビテーションによる表面研削処理及び圧縮応力付与)プロセスは、当初、航空機部品の製造に使用される積層造形部品(AM部品)の異常層除去のために粗面を除去する手段として登場した。CASFは、CWJP(キャビテーションウォータージェットピーニング)の基本技術と従来のウォータージェット切断技術を応用したプロセスである。自動車、原子力、航空宇宙、医療分野などの産業で使用される複雑形状の鋳物部品の表面平滑化など、より広い製造用途に向けて開発が進められている。

CWJP技術の詳細はこちら

CASF技術の詳細はこちら

サンダース博士

ダニエル・サンダース博士
​ワシントン大学 機械工学科客員教授 元・ボーイング社シニアテクニカルフェロー

ボーイング・リサーチ&テクノロジーのシニアテクニカルフェローとして、様々な工法を用いた航空宇宙製品の革新的な製造および材料技術の開発に従事。最近は海外の専門家とともに、キャビテーションジェットピーニング(CWJP)やキャビテーション研磨処理(CASF)を生産用に適合させる研究を実施している。

 


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