CWJP(キャビテーションウォータージェットピーニング)技術
金属部品の疲労強度、疲労寿命を向上させる加工技術です。
特殊なキャビテーション(気泡)促進ノズルから、高圧水を
高速で水中に噴射することで、キャビテーションを発生。
ワーク付近で気泡が崩壊する際のGPa(ギガパスカル)
クラスの衝撃力によって、ピーニング効果が得られます。
CWJPの適用事例
・構造物の溶接部などの、応力腐食割れ防止
・自動車/航空機部品、金型、AM部品など、各種金属部品の疲労強度向上
CWJPの特長・メリット
クリーンな加工法
水のみを使用する、ショットレスピーニング。
産業廃棄物が発生しない、時代に合ったクリーンな加工法です。
また、メディアを使用しないため、後工程で洗浄や研磨は不要。
コンタミによるリスクも軽減できます。
施工範囲が広い
メディアが当たる範囲しか施工できない
ショットピーニングと違って、CWJPは
キャビテーション噴流が流れる先にも
ピーニングを施工することができます。
さらに、キャビテーション噴流が流れた先は
より応力が入りやすいという特長もあります。
加工面を荒らさない
ウォータージェットによるピーニングは、
加工面を荒らさずにピーニングが可能です。
施工部位にエッジが発生することもなく、
安定して部品の長寿命化が図れます。
靭性を変化させない
組織を微細化・緻密化させ、材料本来の靭性(粘り強さ)を維持しながら硬度を向上させる特長的な工法です。
IQマップ:結晶性の良し悪しを示すマップ(バンドが鮮明なほどパターンの発生領域の結晶性が良い)
小径部品にもピーニングが可能
ピーニングを行うキャビテーション(気泡)は非常に小さいため、
対象部品を選ばず、小径部品でもピーニングが可能です。
従来はメディアのサイズから制限があった小径部品や、メディアが
入り込めなかった細かい部位にも、CWJPならピーニングが可能です。
CWJPの効果
疲労強度向上
表層から1mm近くの深さにも、
圧縮応力を付与できます。
その処理深度は、ショット
ピーニングを凌駕しています。
長寿命化
疲労寿命、疲労強度の改善が図れます。
表面にマイクロディンプルを形成
施工後、部品表面に形成されるマイクロディンプルは油だまりとなり、摺動性の向上が図れます。
下図のとおり、リングオンディスク(摩擦摩耗試験)によって、潤滑性が持続することを確認できます。
リングオンディスク(摩擦摩耗試験)
3D積層造形の未融解AM粉末を除去
CWJPを施工することにより、3D積層造形部品の未融解粉末を除去できます。
技術セミナー アーカイブ動画のご案内
過去に開催したCWJP・CASF技術に関する技術セミナーの、アーカイブ動画を公開しています。
リンク先の専用フォームよりお申し込みいただくと、視聴可能なURLをお送りします。
[MECT2023特別セミナー]
CWJP/CASF技術紹介
- 次世代ピーニング技術について -
「ウォータージェットピーニング」はメディアを使用しない
新しいピーニング技術として注目されています。
部品の疲労強度アップ、マイクロディンプルの形成、
AM部品の表面改質など、様々な付加価値を与える新しい工法です。
この新工法について、当社技術者が解説します。
積層造形(AM)部品・鋳造金属部品の
表面改質のためのCWJP・CASFプロセスの開発と、
航空宇宙、自動車、原子力、医療分野等への応用
元ボーイング社シニアテクニカルフェロー、ワシントン大学客員教授の
ダニエル・サンダース博士による特別セミナーの様子です。
講演ではCASFとCWJPについて、技術開発の歴史や
工法の特長・効果をはじめ、従来工法に取って代わる可能性、
現在の活用事例、技術開発におけるスギノマシンとの
取り組みについてもご紹介いただきました。