2026.02.26
最終更新日: 2026.02.26
  • 技術コラム

試験片切り出しの課題とウォータージェット加工による解決方法

試験片アイキャッチ2

この記事では、試験片の用途とその製作における課題と解決方法について記載しています。

試験片とは何か

試験片とは、素材や材料の強度や機械的性質を評価するために、一定の形状・寸法に加工された試験用の材料のことです。

主な対象材料としては、樹脂、金属、ゴム、コンクリートなどが挙げられます。

試験片に対して引張、圧縮、曲げ、疲労などの各種試験を行い、与えられた応力に対しての変形の程度や破損の状況を計測することで、材料の機械的性質や強度に関するデータを取得します。

試験方法には、引張試験、曲げ試験、疲労試験などがあり、試験片を用いて得られた結果は、材料そのものの性能評価や、製品開発・設計時の基礎データとして活用されます。

そのため試験においては高い再現性と正確なデータ取得が求められ、使用する試験片も、各種規格で定められた寸法公差や加工精度、表面状態などの条件を満たしている必要があります。

試験片の準備方法

実際に試験に使用する試験片を準備する方法は、主に2つあります。

1つは、対象となる製品や材料が市販されている場合に、それを購入して試験に使用する方法です。

もう1つは、材料そのものから試験に用いる部分を切り出して試験片を作製する方法で、これは試験片切り出しと呼ばれます。

試験片の切り出しには、バンドソー、ワイヤーカッター、電動ノコギリ、ダイヤモンドカッターなどの加工機械が使用されます。

切り出した材料はその後、旋盤やフライスなどを用いて、実施する試験に適した形状へと加工されます。また、試験内容によっては熱処理などの表面処理を施したうえで試験に供される場合もあります。

試験片製造における切り出し加工の課題

試験片切り出しは、主に刃物を用いた切削加工によって行われます。

電動ノコギリなどの切削加工機を用いることで、さまざまな形状の材料を切断することが可能です。

また、金属などの硬い素材については、ワイヤーカッターによる放電加工が用いられる場合もあります。

しかし、切削加工では材料と刃物が接触するため、摩擦による熱が発生します。この熱の影響により、切断面に変形が生じたり、材料の性質が変化したりする可能性があります。

放電加工においても、材料を溶かしながら切断するため、切断面に熱の影響が及び、変形や欠け、割れが発生する場合があります。さらに、放電加工は電気を通す素材にしか適用できないという制約もあります。

こうした熱の影響を抑えるために、材料を冷却しながら切断を行う方法が採られることもありますが、作業性や管理の面で課題が残ります。

試験結果の信頼性を確保するためには、切断時に試験片へ与える影響をできるだけ抑えた加工方法を選択することが重要です。

ウォータージェット加工による試験片の切り出し

熱の影響を極力抑えた加工方法として、スギノマシンはウォータージェット加工を提案しています。

ウォータージェット加工は、超高圧水を噴射することで材料を切断する加工方法です。

非接触で加工を行うため、工具による切削加工と比べて材料への負担が小さく、変形が起こりにくいという特長があります。

また、金属・樹脂・複合材料など、素材を問わずに切断できる点も大きなメリットです。

切断時に熱が発生しないため、材料のゆがみや性質の変化、溶解が起こりにくく、試験片の切り出しに適しています。特に、熱の影響を受けやすい樹脂材料や複合材料の加工に有効です。

さらに、切断エネルギーが局所的に作用するため、脆性材や複合材の加工にも適しています。

コンクリートなど、切断時の振動が試験結果に影響を及ぼす可能性がある材料においても、衝撃を与えずに加工でき、切断面をきれいに仕上げることができます。

まとめ

試験片の品質は、試験結果の信頼性に直結する重要な要素です。

そのため、試験片の切り出しや加工においては、材料への影響をできるだけ抑えた方法を選択することが求められます。

ウォータージェット加工は熱や振動による影響が少なく、さまざまな素材に対応できる加工方法として、試験片の製作に適しています。

当社では、こうした特長を生かしたウォータージェット加工装置を通じて、精度の高い試験片製作をサポートしています。

お気軽にお問合せください。

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