【ニュースリリース】環境配慮型原料、CNF活用に関する技術資料を公開
ー 食品へのBiNFi-s添加効果 ー
2024年9月24日
株式会社スギノマシン(富山県滑川市)は、天然由来のセルロースを原料としたナノファイバー*1(商品名:BiNFi-s、ビンフィス)の活用に関する技術資料(テクニカルレポート)を新たに公開しました。
技術資料ではBiNFi-sを加えたプラントベースフード*2や、小麦の代わりに米粉で作ったシフォンケーキ、プリン等を事例とした、食品へのBiNFi-s の添加効果を紹介しています。
BiNFi-s
1. 食品分野へのBiNFi-s活用
セルロースナノファイバー(以下、CNFと記載)は、植物由来の原料から製造され、持続可能な開発目標(SDGs)に適した素材です。また近年食品分野においてプラントベースフードと呼ばれる「肉」「卵」「ミルク」「バター」「チーズ」などの動物由来食品の代替食品が関心を集めていますが、見た目や食感などで課題もあります。
今回の技術資料ではBiNFi-sを加えたプラントベースフードや、小麦の代わりに米粉で作ったシフォンケーキ、プリン等を事例として、BiNFi-s の添加効果を紹介します。なお、本レポートのデータは全て食品添加物のセルロース材料を用いて、食品製造工場の認可を得た工場内で食品試作を実施しています。
2. 技術資料(テクニカルレポート)の内容(抜粋)
①オーツ麦由来のプラントベースフードへの添加効果
プラントベースの一つであるオーツ麦由来のオーツミルクを使ったアイスクリームは、栄養価も高く、乳糖不耐症や牛乳アレルギーの人も楽しむことができます。BiNFi-s をオーツミルクアイスクリームに固形分で0.5wt%を加えたところ、アイスクリームの保形性と溶けにくさの改善効果が確認され、濃厚感と滑らかさが向上しました。
また、オーツ麦で作ったオーツパウダーのパン生地にBiNFi-s を加えたフレンチトーストでは、パンが崩れにくいことと、フレンチトーストの噛み応えが、良好になりました。
*オーツミルク、オーツパウダーとも、アピ株式会社のEX-OATを使用しています。
*図中ではBiNFi-sをBFと表記しています。
②米粉を使ったシフォンケーキの釜落ち防止
小麦による食物アレルギー対策として、小麦粉から米粉への代替があります。しかし、米粉を使ったパンやケーキなどの焼き菓子は、焼成後に「釜落ち」と呼ばれる、見た目や触感が悪くなる現象がしばしば見られます。この現象の低減を目的に、BiNFi-s を対粉の乾物換算で0.2wt%添加した米粉のシフォンケーキを作ったところ、釜落ちの度合いが小麦粉で作ったシフォンケーキと同等になりました。
この米粉+BiNFi-s のシフォンケーキと小麦を使ったシフォンケーキの官能評価を行いました。米粉+ BiNFi-s のシフォンケーキは、小麦のシフォンケーキと同等のもっちり感があり、口に入れた際のふわふわ感、しっとり感は、小麦より高評価でした。冷蔵保存品でも同様の結果であり、BiNFi-s を添加することで、保形性や官能評価において、良好な結果を得ることができています。
③プリンでの保水性効果
プリンの原料にBiNFi-s を加えると、プリンからの離水防止や保水効果があることがわかりました。プリン製造中の加温や冷却の工程において、製品からの成分流出やそれによる食感への影響が出ることがあり、それらを防ぐ方法として有用です。BiNFi-s を0.4wt%加えた卵液を使ったBiNFi-s 添加プリンでは、製造後の形状変化は見られず、成分中の離水防止や成分流出を防ぐ効果があります。
3.技術資料(テクニカルレポート)について
今回の研究結果は、スギノマシンが発行している技術資料(テクニカルレポート)で詳細を報告しています。各種実験データを掲載し、実用化に向けた技術情報を紹介しています。テクニカルレポートはスギノマシンのWebサイトからダウンロードいただけます。
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4.用語・補足
*1 ナノファイバー
繊維を直径 100 nm以下、長さ 数μmのサイズへ微細化したもの。
*2 プラントベースフード
動物性原材料ではなく、植物由来の原材料を使用した食品のこと。大豆や小麦などから「肉」「卵」「ミルク」「バター」「チーズ」などの代替加工食品が製造・販売されている。