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2025.10.10
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【ニュースリリース】ウォータージェットバリ取り装置 「JDM(Jet Deburring Machine)」の販売を開始

2025年10月10日

株式会社スギノマシン(富山県滑川市)は、ウォータージェットによるバリ取り*¹に特化した新装置「JDM(ジェーディーエム、Jet Deburring Machineの略)」の販売を開始します。ウォータージェット*²によるバリ取りは、工具では届かない場所へのアプローチが容易で、ワーク(工作物)を傷つけにくいなどのメリットがあります。製造業界の人手不足が深刻化する中、小型のワークが多い現場のニーズに合わせ、装置サイズをコンパクトにし、導入・運用にかかるコストを抑え、より多くの現場でさまざまな小型部品に対応可能としたウォータージェットを使ったバリ取り自動化を実現させます。
本商品は、10月22日(水)~10月25日(土)にポートメッセなごやで開催される工作機械見本市「メカトロテックジャパン 2025」に出品します。

 

JDM (Jet Deburring Machine)

 

ウォータージェットによるバリ取り

1.装置概要

「JDM」は最大70MPaの高圧水(ウォータージェット)でバリを除去するウォータージェットバリ取り装置です。
ウォータージェットを用いたバリ取りは、流体の特性を活かすことで加工機やロボットによるバリ取り工法ではアプローチできない、深穴や複雑形状部のバリに対して大きな効果を発揮します。
ウォータージェットで部品のバリ取り・洗浄が可能な当社の部品洗浄機「JCC (ジェットクリーンセンタ)」シリーズは、お客様から洗浄品質や機能を高く評価され多数導入いただいております。本装置では従来機で培われた技術を継承しつつ、小型部品のバリ取りや省スペース化のニーズに対応することで、お客様の用途に応じた最適な装置の提案が可能になりました。

2.開発背景

製造業界では、人手不足が慢性化し、さまざまな工程の作業の自動化が急務となっています。特にバリ取り作業は危険を伴い、神経を使う作業であるため、人手不足が顕著になっています。
当社は2023年にバリ取りの自動化を研究する「デバラボ」*³を設立し、バリ取りに関するお客様の課題を共に解決する取り組みを行っています。ウォータージェットを用いたバリ取りは自動車部品、精密機器部品、医療機器部品など、さまざまな業界から以前から高いニーズがあり、新規導入を検討するためのバリ取りテストの依頼も多くいただいております。
一方で、設置面積の都合でウォータージェットを用いたバリ取り装置を導入できないケースも見られました。
そこで当社ではデバラボをご利用いただいたお客様の声や、これまでに蓄積されたバリ取りテストのデータをもとに市場のニーズを分析。装置サイズ、対象ワーク、ターゲット価格を明確にすることでより多くの現場に適したウォータージェットバリ取り装置「JDM」の開発に至りました。

3.特長

(1)Max.70MPaの高圧ジェットでバリを除去
ウォータージェットバリ取りでは噴射圧力がバリ取り性能を左右します。JDMの最高圧力を従来のバリ取り用洗浄機「JCC 104 HYBRID」と比較して40%アップのMax.70MPaとしました。水道水の約350倍の圧力でバリ取りを行うことで、従来取り切れなかったバリも除去可能となり、適用の幅が広がりました。

(2)装置幅1,080mmのコンパクトなウォータージェットバリ取り装置
手作業によるバリ取りの自動化を基本コンセプトとして設計し、限られたスペースにも設置できるよう、装置幅を1,080mmで設計しました。
従来の当社製バリ取り用洗浄機「JCC 104 HYBRID」の装置幅から約30%のサイズダウンを実現しています。人がバリ取り作業をしていたスペースにそのまま設置することができます。また、JDMは装置幅1,080mmにも関わらず□250mmのワークのバリ取りが可能です。

 

(3)バリ取りに特化したノズルを開発、標準搭載
ウォータージェットバリ取りにおいてノズルの性能はバリ取りの品質に直結します。基本的にノズルから噴射された流体は対象物に衝突するまでの間に徐々に拡散していき、拡散するとバリ取り性能は低下します。JDMに標準搭載している新開発したNTノズルは噴射された流体が極力拡散されないように作られているため、従来のノズルよりも高いバリ取り性能を備えています。
また、標準搭載の2系統ノズルは「直射ノズル」と「L形ノズル」を1本に集約した新型ノズルです。特許技術によってノズル内の流路を瞬時に切り替え、ノズルチェンジを効率化することでバリ取り工程におけるサイクルタイムの短縮を実現します。

 

(4)水溶性クーラント液の採用により、バリ取り市場に適した価格で提供
従来の高圧部品洗浄機は使用する流体に洗浄液を採用していますが、 JDMでは水溶性クーラント液を採用しています。防錆性のある水溶性クーラント液でバリ取りをすることで、装置内の錆対策にかかっていた分の構成部品を見直し、装置価格の低減に努めました。

4.仕様

商品名 ウォータージェットバリ取り装置 JDM
装置サイズ(mm) 幅1080×奥行2980×高さ2700
テーブル 対象ワーク:□250、テーブルサイズ:□300、(オプション:A軸)
販売開始日 2025年12月15日
テスト受注開始日 2025年12月15日
出展予定 MECT 2025(メカトロテックジャパン 2025)

会期:2025年10月22日(水)~25日(土)

会場:ポートメッセなごや

URL:https://mect-japan.com/2025/

 

5.用語・補足

※1 バリ取り
バリとは、金属や樹脂などの加工時に発生する余計な突起やとげのことです。製品の品質や安全性に影響するため、製造業界でバリ取り作業は切っても切れない工程です。従来は手作業が主流でしたが、人手不足を背景に、自動化への対応が急務になっています。

 

※2 ウォータージェット
ウォータージェットとは、水の圧力を高め、ノズルから噴射することで発生する高速水噴流のことです。この噴流が対象物に衝突することで、破壊・分離・除去など様々な作用が生まれます。

 

※3 デバラボ
2023年7月にスギノマシンの掛川事業所に開設したバリ取りの研究を行う施設。
バリ取りに関するお客様の問題解決を図るため、加工テストの結果を基に自動化提案を行っています。

 

―本件に関するお問い合わせ先―

■株式会社スギノマシン■

精密機器事業本部 応用開発部

TEL:076-475-5112

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