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【ニュースリリース】業界初!セルロースナノファイバー(CNF)を使用した複合フローリングを実装!

 

業界初*1!セルロースナノファイバー(CNF)を使用した複合フローリングを実装!​
-スギノマシン労働組合新事務所の床材に採用、硬度アップで耐傷性向上-​


2023年1月31日

株式会社スギノマシン(富山県滑川市、代表取締役社長:杉野 良暁)とスギノマシン労働組合(富山県滑川市、執行委員長:小倉 孝太)は共同で、労働組合の新事務所に当社製のCNF*2(商品名:BiNFi-s、ビンフィス)を使用した床材を実装しました。本床材は、利昌工業株式会社(大阪府大阪市、代表取締役社長:利倉 幹央)がCNFを板状に成形し、それを最終的に大建工業株式会社(大阪府大阪市、代表取締役 社長執行役員:億田 正則)にて積層し、複合フローリングに加工したものです。植物由来材料を主成分としながら高い硬度を保持している点が特徴です。試作段階ではあるものの、建材業界初のCNFを使用した複合フローリングの実装事例となります。

 

BiNFi-s複合フローリング/労働組合新事務所外観

 

当社と利昌工業、大建工業は、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の助成事業「炭素循環社会に貢献するセルロースナノファイバー関連技術開発」*3に採択されたそれぞれの開発テーマに取り組んでおり、両テーマの成果を融合することで実用化の方向性を見いだしました。

1.BiNFi-sについて

近年、海洋プラスチックや石油資源枯渇などの問題から、SDGsに沿って地球環境の資源を大切に使用し、持続可能社会を目指す取り組みが重要視されています。BiNFi-sは植物などから取れる自然由来の素材をナノサイズに細かく解した超極細繊維です。中でもセルロースを原料としたCNFは、プラスチックやゴムなどに添加することで、強度を向上させながら、母材の使用量を減らすことができ、環境負荷の低い商品を造るための素材として、注目されています。

 

2. BiNFi-sを使用した複合フローリングの特徴について

当社では、CNFを高品質・低コスト・低CO2排出量で製造する技術を開発しています。一方、利昌工業と大建工業では、CNFを板材に成形加工し樹脂を含浸させることで耐水・耐湿性を向上させ、床材として適用可能な高機能板材を開発しています。

利昌工業が評価したCNF製板材および樹脂を含浸させたCNF製板材、一般的な木質繊維板(MDF)で物性を比較した結果を表1に示します。樹脂を含浸させたCNF製板材はCNFの優れた力学物性を活かし、高強度・高弾性(高硬度)を実現しています。その樹脂を含浸させたCNF製板材から製造した複合フローリングは、硬度が高いため、木材由来でありながら靴やキャスターによる傷や跡がつきにくく、鉱物製(大理石など)床材の代替として期待されています。

表1

 

3.スギノマシン労働組合新事務所へのBiNFi-s使用複合フローリングの採用について

スギノマシン労働組合では、昨年10月に当社本社が早月事業所内に移転したことに合わせ、滑川事業所敷地内に新事務所を建設し、1月26日に開所しました。その計画を進める中で、当社と労働組合は共同で1階フロアの一部の床材にBiNFi-s使用複合フローリングの施工を検討し、各機関の協力のもと実現に至りました。建材業界初のCNFを使用した複合フローリング(内装材)の実装事例となります。

 

BiNFi-s使用複合フローリングが実装されたフロア

BiNFi-s使用複合フローリングが実装されたフロア

 

当社製品を新事務所に使用し、労働組合員(社員)に自社技術をより身近に感じてもらうことが、労使協調体制のさらなる充実や、今後の会社・労働組合の発展に寄与することを期待しています。今後も植物由来素材であるCNFの市場を広げ、CO2削減、カーボンニュートラルな社会の実現に貢献していきます。

 

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5.用語・補足

*1 業界初

建材業界初…当社調べによる(2023年1月時点)

 

*2 CNF(セルロースナノファイバー)

植物の主成分であるセルロース繊維を直径 100 nm以下、長さ 数µmのサイズへ微細化したもの

 

*3 「炭素循環社会に貢献するセルロースナノファイバー関連技術開発」

https://www.nedo.go.jp/content/100921048.pdf

 


―本件に関するお問い合わせ先―

■株式会社スギノマシン■

経営企画本部 新規開発部 開発プロジェクトグループ

TEL:(076)477-2572

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