2026.11.03
最終更新日: 2026.11.03
  • 技術コラム

パッキンの切断加工を改善!ウォータージェットとポリマーの活用

パッキンアイキャッチ

本記事では、パッキンの用途や特長、製造におけるウォータージェットによる切削のメリットやポリマー供給による切断能力向上について記載します。

パッキンの特長

私たちの身の回りには、さまざまな場所でパッキンが使われています。ゴム製で丸いリング状の製品をイメージされる方も多いのではないでしょうか。
パッキンは、配管や機械の接合部、軸の周辺などに取り付けられ、液体や気体が外部に漏れるのを防ぐ役割を持つシール部品です。

似たような役割を持つ部品に、ガスケットやOリングがあります。
一般に、ガスケットは配管のフランジなど、固定された接合面の間に挟み込んで使用するものです。
一方、Oリングは断面が円形のリング状のシール部品で、固定された箇所だけでなく往復運動や回転運動する箇所にも使用されます。「パッキン」という言葉は、運動する箇所に用いるシール部品を指す場合が多いですが、広い意味でシール部品全般を指すこともあります。

特に往復運動や回転運動する箇所に使用されるパッキンには、部品との摩擦によって摩耗しにくいことが求められます。そのため、使用環境や用途に応じた耐摩耗性が重要な特性の一つです。

パッキンの素材

パッキンの素材には主にゴムや樹脂が使用されます。
ゴムは弾力性があり、接合面のわずかな隙間にも密着しやすいことが特長です。また振動や衝撃を吸収する性質を持っている点も、シール部品に適している理由の一つです。

用途によっては、耐熱性や耐薬品性に優れたフッ素樹脂などが使用されることもあります。
ただしゴムであればどのような用途にも適しているわけではなく、使用する場所や接触する液体の種類、温度などによって、適切な素材は変わってきます。

例えば天然ゴムは耐摩耗性や弾力性に優れていますが、一般に耐油性は低いため、油が接触する箇所では膨張や劣化などを引き起こす可能性があります。そのため、使用環境に応じた素材の選定が重要となります。

用途に応じてさまざまなゴムが使い分けられています。
代表的なものとしては耐油性に優れたニトリルゴム、耐摩耗性に優れたウレタンゴム、耐候性や耐オゾン性に優れたクロロプレンゴムなどが挙げられます。

それぞれの特性を理解して使用条件に適した素材を選ぶことが、パッキンの性能や耐久性を確保するために必要です。

パッキンの製造方法

パッキンの製造方法にはさまざまなものがありますが、その一つが金型を使った成形加工です。ゴム材料を金型に入れ、熱と圧力を加えて所定の形状に成形します。

金型成形は、同じ形状の製品を大量に生産するのに適していることがメリットです。
しかし製品に合わせた金型を製作する必要があるため、初期費用がかかります。また、金型の合わせ目にはパーティングラインと呼ばれる跡ができることがありますし、製品によってはバリが発生するため、その除去などの後処理が必要になる場合もあります。

もう一つの製造方法が切削加工です。ゴム材料を刃物などで削り、必要な形状に仕上げる方法で、旋盤やフライス盤などの加工機が使用されます。

切削加工は、金型を製作せずに加工できるため、小ロット品や一品物の製作に適していることがメリットです。
また、金型を新たに製作する必要がないため、試作品や特注品にも対応しやすい方法です。一方で大量生産では、金型成形と比べて製品単価が高くなる傾向があります。
さらに、ゴムの弾性や変形しやすさなどの影響を受けるため、求められる形状や精度に応じて、加工方法や条件を適切に設定する必要があります。

切削加工の一種として型抜き加工があり、こちらは専用の抜き型を使って材料をプレスし、必要な形状に打ち抜く加工方法です。金型成形と同様に大量生産に適しますが、型の製作費がかかる点や、サイズごとの型の保管場所が必要となる点がデメリットです。

ウォータージェットによる切削加工

スギノマシンのウォータージェット技術は、ゴム材料を切断・加工する工程で活用できます。

ウォータージェット加工は切削加工の一つで、超高圧水をノズルから噴射し、その力を利用して材料を切断する加工方法です。
専用の型を持つ必要がなく、刃物などの工具を材料に直接接触させずに加工できるため、工具で材料を押し込むことによる変形を抑えやすいという特長があります。

また、表面に凹凸があるゴムシートや、刃物では切断しにくい材料にも対応できる場合があります。材料や形状に応じて加工条件を調整することで、さまざまなゴム製品の切断に活用できます。
さらに、レーザー加工のように熱で材料を切断する方式とは異なり、熱による焦げや変質を抑えやすいこともメリットです。

加工装置に加工プログラムを設定することで、切断形状や加工条件を管理しやすくなり、複雑な輪郭や穴位置の変更にも対応が可能です。繰り返し加工する際にも安定した加工品質を確保しやすくなります。

ポリマーを用いた切断能力向上

当社のウォータージェット切断装置には、ポリマー希釈液供給装置を接続することができます。
この装置を用いて切断用の水にポリマーを添加することで、ウォータージェットの切断能力を高めることができます。

特にゴムなどの柔らかい材料や厚みのある材料を切断する際には、噴流のまとまりを維持することが重要です。ポリマーの添加によって切断性能が向上するため、切断面の仕上がりの改善につながります。

また、ウォータージェット用ポンプでポリマー希釈液を加圧すると、その粘性によりチェックバルブ(逆止弁)の早期摩耗を引き起こすことが課題でした。しかしスギノマシン独自の構造により、摩耗を抑制し安定稼働が可能となっています。

パッキンの製造において、切断面の品質は製品の仕上がりを左右する要素の一つです。当社のポリマー希釈液供給装置は、ウォータージェット切断装置の性能を引き出し、パッキンの品質向上や加工工程の改善に貢献します。

まとめ

パッキンの製造では、素材や用途に応じた加工方法の選定が重要です。

スギノマシンのウォータージェット切断装置は、ポリマー希釈液供給装置を組み合わせることで、切断能力や切断面の品質向上をサポートします。

パッキンの切断加工でお困りの際は、ぜひ当社にご相談ください。

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