ウォータージェットカッタ VS “最強の鉄” /プライドをかけた真剣勝負 /勝つのはどっち!?(テレビ東京「バカリズムのちょっとバカりハカってみた!」)
ーテレビ東京「バカリズムのちょっとバカりハカってみた!」で当社が紹介されましたー
2026年6月3日(午後8時半~9時54分)にテレビ東京で、検証バラエティー番組「バカリズムのちょっとバカりハカってみた」が放映され、当社のウォータージェットカッタが、”最強の鉄”との勝負に挑みました。この”最強の鉄”は、金属の熱処理加工などを手掛ける新羽金属工業様(横浜市)がこの対決のために、技術の限界をかけて硬く仕上げたもの。対する当社のウォータージェットカッタは、高圧水流で「どんなものでも自由自在に切断できる」とうたっています。
番組では、ウォータージェットカッタがこの“最強の鉄”を切断できるかを検証!果たして対決を制したのは、どちらか…?!
番組を見ていただいた方にも、まだご覧になっていない方にも、番組撮影の裏側も交えて少しだけ、ご紹介します。
■ 目次 ■
① ウォータージェットカッタvs最強の鉄!?
依頼~本番直前 編
② 勝負1回目はなんと!まさかの結果に…
切断編 その1
③ リベンジなるか…!?
切断編 その2
① ウォータージェットカッタvs最強の鉄!?
依頼~本番直前 編
「ウォータージェットカッタを使って、“最強の鉄”と対決してもらえませんか?」。4月に入ったばかりのある日、テレビ番組の制作会社からこんな企画が舞い込んできました。新羽金属工業様が特殊加工を施して硬くした鉄と「あらゆる材料の切断加工に対応する」ことをうたう当社のウォータージェットカッタ。両社が技術に磨きをかけ、「何でも切れる」「絶対に切れない」と真っ向から対立する商品・製品を戦わせ、勝負を付ける企画とのこと。しかも、対決本番までに与えられる猶予は、たったの1週間だという。
「当社の技術であれば、絶対に切れる」。厳しい条件ではあったものの、技術力をアピールする絶好の機会になるはず!ということで、受けて立つことを決断しました。主に開発やお客様から切断加工テストを承っている野坂亮太係長を中心メンバーとし、すぐに過去に切断した素材のデータを洗い出し、作戦を練り始めました。ウォータージェットカッタを用いた切断加工は通常、素材の材質や厚さなどに合わせて、切断の条件を調整します。技術者たちは、対決までの1週間で作戦会議の末、勝利への手ごたえを感じながら、本番に臨みました。
いよいよ迎えた本番当日。新羽金属工業様の奥谷将之社長が一人、横浜から“最強の鉄”を携え、番組制作会社のスタッフたちと当社・早月事業所に乗り込んできました。当社がお客様向けの切断加工テストなどをする部屋、通称「テストサイト」を対戦会場に、両社の面々が対面しました。
制作スタッフの皆さんは、切断の様子や対戦者一同の表情を一瞬も逃すまいと、テレビカメラ4台のほか、切断の様子をより近くで撮影するためのスマートフォンや小型カメラ、テストサイト全体の定点撮影用のカメラなどを手際よくセッティングしていきます。


真剣勝負を直前に、両社がバチバチと火花を散らします。「負けられないし、負けたくない」「絶対に切断はできるとしても、精度や質に納得できるかはわからない」など、集まった技術部長や課長が口々に意気込みを語ります。普段は冷静で「カメラの前に立つのは恥ずかしい」と言っていた野坂係長も撮影スタッフの勢いに押され、カメラに向かって「1500人全社員の思いをぶつけます…!」と宣言。
一方の奥谷社長は、快活な笑顔の裏で技術への自信や情熱を燃やしている様子がうかがえ、手ごわそうです。双方気合は十分。対決が始まります。
まずはルール設定。通常、ウォータージェットカッタは、対応可能な大きさであれば、何時間でも何十時間でも、時間さえかければ素材を切断することはできます。今回はそれではフェアな対決にならないということで、10分間の制限時間を設けることに。
ここで、改めて今回の勝負についておさらいです。幅・奥行各8センチ、高さ(厚さ)4センチの鉄を制限時間10分以内に真っ二つに切断できればウォータージェットカッタの勝ち。1ミリでも切断できずに残れば、“最強の鉄”が勝ち。
ウォータージェットカッタは、ノズルを縦方向に動かし、10分間かけて切断加工をするように設定します。
ルールが決まったところで、いよいよ対決開始。
奥谷社長「ただの鉄ではない。鋼に命を吹き込んでいます。なめんなよ!」
野坂係長「所詮、ただの鉄。鉄は鉄なので」
奥谷社長「バカにしてます?(笑) 勝ち負けはっきりさせましょう!」
② 勝負1回目、まさかの結果に/切断編 その1
「加工を開始します」。野坂係長の合図で装置をスタート。「ブオーン」「プシュー」と音を立ててウォータージェットカッタのノズルが動き出します。装置に熱い視線を送る両社の面々。しばらくすると、水が不規則に波立ち、時折蒸気のように激しく吹き上がりました。




「(おや…?!)」。通常は、切断の速度や時間を調整し、対象物を水中に沈めて切断するため、水が激しく吹き上がることはありません。当社の社員の表情に緊張感が走ります。
10分が経過し、加工終了。果たして結果は…?装置に固定していた“最強の鉄”を野坂係長が慎重に取り外します。
「切れていないですね」「よし!」
野坂係長が悔しそうに苦笑いを見せます。“最強の鉄”は、表面にはきれいに切断したラインが入っていますが、裏返すとギザギザに入った線が途中で途切れ、その先の部分が切れていませんでした。


まさかの結果にショックを受け、うなだれる当社員一同。一方の奥谷社長は、“最強の鉄”の勝利に満足げな表情。当社としては、このまま負けでは黙っていられません。そこで…。
「もう一度、500MPa(メガパスカル)で切らせてください!」
不測の事態が起きた時のために、実は、奥の手を用意していたのです。
当社のウォータージェットカッタは、ポンプで水を最高600MPa(約6,000気圧/水道水の約2000倍)に加圧し、ノズルの小さな穴から超高速で噴射させ、硬いものから軟らかいものまでさまざまなものを切断します。
当社では、通常使用時のポンプの圧力として350MPaを推奨していますが、通常使用でも最高500 MPaに設定することができます。
「350 MPaがダメなら500MPaでリベンジを!」と奥谷社長にお願いしてみたところ…。「なんで最初から500 MPaで切らなかったの」と笑いながら、「わかりました。ぜひやってみてください」と快く受けてくださることに。奥谷社長も、どうやらポンプをさらに加圧した場合の勝負の行方に、興味津々のよう。ポンプの圧力を500 MPaに引き上げたウォータージェットカッタで雪辱を果たせるのか…?
③ リベンジなるか…!?/切断編 その2
先ほど切れなかった“最強の鉄”の横側の切断を試みることにし、ポンプを350 MPaから500 MPaに切り替え、準備は完了。野坂係長がもう一度、スタートボタンを押します。
切り始めから順調で、1回目に比べて水しぶきは少なめ。安定して切れていそう…。当社の社員たちは、一言も発せず、固唾をのんで見守ります。一方の奥谷社長は、落ち着かない様子で近づいたりのぞき込んだり。下まで切れているのかどうか、気になっている様子です。


そして10分が経過し、装置が自動でストップ。今度はどうか…?!
「完璧です。これがスギノマシンの実力です」。野坂係長をはじめ、当社一同、すでに勝利を確信している様子。早速、“最強の鉄”を取り出してみます。固定具を取り外しながら、野坂係長の表情には既に安堵の笑顔が浮かんでいます。
「きれいに切れました!」
スパッとした美しい断面で切れています。奥谷社長も「全然違うじゃないですか。切断面が乱れていない」と感服した様子。

これで両社、1勝1敗の結果になりました。さっきまで火花を散らしあっていましたが、対戦が終われば、お互いものづくりを極めるもの同士。相手の技術の高さに感心し、勝負をたたえあいます。奥谷社長からは「すごい技術。これからぜひ何かの形でお付き合いして、当社の技術も伸ばしたい」とありがたいお言葉もいただきました。
でもちょっと悔しそう。
「あと3日、時間があれば、もっと硬くできたんじゃないか…。もしそれで勝負していたら…」。さらに白熱した対決になったに違いありません。
野坂係長も「これまで知っていた鉄なら切れたけれど、今回は鉄と呼んでいいかわからないくらい硬かった」と“最強の鉄”の強さに太鼓判を押しました。
賛辞を送りあい、一同に融和ムードが広がったところで、奥谷社長と野坂係長で肩を組みあって記念撮影をしました。

撮影の合間には、奥谷社長に“最強の鉄”について聞いてみました。
新羽金属工業様は、金属を硬くするための熱処理(焼き入れ)のプロフェッショナル集団。奥谷社長は「今回はこの対戦のために特別に、魂も込めて、鋼材にソルト焼き入れとサブゼロ処理をしてきました」と教えてくださいました。
ソルト焼き入れとは、金属を高温の溶融塩の中につけて加熱し、その後に冷却する焼き入れ方法です。この処理をすると、温度分布が均一で焼きムラが少ない、歪み・変形が少ない、などのメリットがあります。
一方、サブゼロ処理とは、焼き入れをした鋼材を急速に冷却する処理で、奥谷社長によると、今回は-196度の液体窒素で冷却したとのこと。これにより、さらに材料を強固にし、硬度を均一にするなどの効果を得られます。奥谷社長は事前に硬度を測定してきたといい、「この“最強の鉄”は、日本刀より硬いですよ」と胸を張りました。
実は奥谷社長は、社長業の傍ら、自ら現場に立ち、製造現場についてYouTubeでも配信されています。製造業界の人手不足が深刻化する中、奥谷社長からは、社会を支えるものづくりを盛り上げようという情熱や気概を感じました。その思いは、私たちとも重なりました。
改めてこの度は、対戦させていただき、ありがとうございました!
当社にとっても、ウォータージェットカッタの強さや精度を示す貴重な経験になりました。

