【技術コラム】衝撃力が減衰しにくい特性【ウォータージェットバリ取り#03】
高圧水の力によってバリを破壊、除去する工法を「ウォータージェットバリ取り」といいます。一般的にバリ取りは手作業や加工機、ロボットによって行われることが多く、やすりや切削工具、バリ取り用の超硬ロータリーバーなどによって除去されます。ウォータージェットバリ取りは、バリ取り工法としてはまだマイナーな存在であり、十分に知られていない技術でもあります。しかし、工具で削るバリ取りとはまったく異なる原理を用いることで、従来工法では対応が難しかった課題を解決できる可能性を持っています。ここでは、ウォータージェットバリ取りならではの技術的な特長を、具体的にご紹介します。
衝撃力が減衰しにくい特性
ウォータージェットバリ取りはノズルから噴射された高圧水がバリに衝突した際の衝撃力とキャビテーションの作用によってバリを除去します。ノズルからワークまでの距離が離れるほど、ワークに衝突した際の衝撃力は小さくなりますが、距離に対してウォータージェットの衝撃力は緩やかに減衰していきます。そのためノズルからワークまでの距離が離れていてもバリ取り性能が大きく損なわれることはありません。
ウォータージェットの特性を活かしたバリ取り
ウォータージェットの距離が離れても衝撃力が減衰しにくいという特性は、バリ取りにおける様々な状況で優位に働きます。
①凹凸、高低差のあるワークや形状のバラつきを吸収
高低差が激しいワークや形状のばらつきが大きいワークの場合、均一にバリ取りを行うことが難しく、仕上がりにムラが出ることがあります。ウォータージェットの衝撃力が減衰しにくいという特性を利用することでワークの高低差や、形状のばらつきを吸収し、安定して均一なバリ取りを行うことが可能です。
②ツールが届かない場所に発生したバリにも容易にアプローチ
奥まった部分に発生したバリをバリ取り工具で除去する場合、突出し長さを長くする必要があります。しかし、突出し長さが長い状態で高速回転すると振れやビビりが発生しやすいため、非常に危険であり、仕上がりも安定しません。ウォータージェットバリ取りは衝撃力が減衰しにくいという特性があるため、工具では届かない奥まったところのバリであっても安全に安定して除去することが可能です。
③プログラム製作が容易
ウォータージェットバリ取り装置はGコードでプログラム作成するため、マシニングセンタと同じような感覚でプログラム作成ができます。また直接刃物を当てる切削加工とは異なり、ある程度の距離までノズルを近づけ高圧水を噴射する非接触のバリ取り工法です。刃物が直接接触する方法ではプログラムや加工条件のミスによって工具や装置の破損につながる恐れがありますが、ウォータージェットでは工具干渉による事故のリスクを大幅に下げ、容易かつ安全にバリ取りを行うことができます。
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