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2024.07.18
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【ニュースリリース】環境配慮型原料、CNF活用に関する応用事例の技術資料を公開

ーカーボンナノチューブ分散剤としての応用事例ー

2024年7月18日

株式会社スギノマシン(富山県滑川市、代表取締役社長:杉野 良暁)は、天然由来のセルロースを原料としたナノファイバー*1(商品名:BiNFi-s)の活用に関する技術資料(テクニカルレポート)を新たに公開しました。技術資料では当社の湿式微粒化装置「スターバースト」*2とBiNFi-sを分散剤として併用した分散事例を紹介しています。

1. カーボンナノチューブ分散剤としての応用

カーボンナノチューブ(CNT)は導電性や熱伝導性に極めて優れた特長を持ち、様々な用途への応用が進んでいます。特に電気自動車や携帯端末用のリチウムイオン電池(LiB)電極の電気抵抗を低減する導電助剤として需要が増えており、均質で高分散したCNT分散液が求められています。CNTは水にも有機溶媒にも分散しにくく、さらには過剰なダメージを与えずに、CNTのチューブ構造を維持しながらの高度な分散が求められています。

2. 技術資料(テクニカルレポート)の内容<抜粋>

①CNTの分散安定化
単層CNTに対して、BiNFi-sを終濃度でCNTと等量加え、当社スターバーストミニ機を用いて、200MPa、10パスの分散処理を実施しました。分散処理が進むと、CNTは微細化され、均質で光沢感のある分散液が得られます。また、分散度合いを評価するために、光学顕微鏡を用いて評価したところ、スターバースト処理とBiNFi-sを併用することでナノレベルで均一分散していることが確認できました。

②CNT分散液に対する減粘効果とメカニズム
CNT分散液を取り扱う上で、重要な要素が粘度です。BiNFi-sを分散剤として添加すると、劇的にCNT分散液の粘度を下げることができます。また、走査型プローブ顕微鏡 (SPM)で観察したところ、汎用の分散剤と比較してCNT同士の絡まりが緩められ、低粘度化と共に単一分散化していることが分かります。

 

③CNT分散液の塗膜化と表面抵抗率
CNT分散液で塗膜を作製し、表面抵抗率を求めたところ、汎用分散剤と比べ表面抵抗率は減少しました。またBiNFi-sをCNTと等量まで添加量を増やしても表面抵抗率が大きく上がらないことから、高い導電性が求められるLiBの導電助剤など幅広い用途への利用が期待されます。

CNT分散液のSPM*3

3. 技術資料(テクニカルレポート)について

今回の研究結果は、スギノマシンが発行している技術資料(テクニカルレポート)で詳細を報告しています。各種実験データを掲載し、実用化に向けた技術情報を紹介しています。テクニカルレポートはスギノマシンのWebサイトからダウンロードいただけます。

詳細はこちら>>

4. 用語・補足

*1 ナノファイバー

繊維を直径 100 nm以下、長さ 数µmのサイズへ微細化したもの。

*2 湿式微粒化装置「スターバースト」

超高圧に加圧した水流と原料同士を超高速で衝突させることで、微粒化(分散・乳化・粉砕・へき開等)を行う装置。

*3 SPM(走査型プローブ顕微鏡)

プローブ(探針)と試料間に作用するさまざまな物理量を検出し、微小領域の表面形状や物性を測定する顕微鏡の総称。

 

―本件に関するお問い合わせ先―

■株式会社スギノマシン■

 プラント機器事業本部 微粒装置部 新材料開発係
TEL:(076)477-2572

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