【ニュースリリース】大容量モデル(水素供給能力600N㎥/h)水素圧縮機用水素ブースターの供給開始
ー 川崎重工業製 水素ステーション用水素圧縮機に搭載 ー
2025年2月20日
株式会社スギノマシン(富山県滑川市)は、カーボンニュートラルの取り組みとして、主にバス・トラックなどの燃料電池大型商用車(以下、FC HDV※1)向けの大規模水素ステーションに対応する川崎重工業製「大容量モデルの油圧ブースター式水素圧縮機※2(水素供給能力600 Nm3/h)」に搭載される水素ブースターの供給を開始します。
1. 大容量モデル水素圧縮機の概要
川崎重工業製「大容量モデルの油圧ブースター式水素圧縮機」は、既に販売を行っている中規模水素ステーション向けの従来製品(水素供給能力300Nm3/h)から、主要部品である川崎重工業と共同開発した当社製の水素ブースターの組み合わせを変更することで、水素供給能力を増強した大容量タイプ(水素供給能力600Nm3/h)としてラインアップするものです。
川崎重工業製水素圧縮機の仕様
形 式 | 油圧ブースター式 |
サ イ ズ | 幅2.8m・奥行3.0m・高さ2.6m |
圧縮能力 | 600Nm3/h(吸入圧力20MPa時) |
吐出圧力 | 82MPaG |
タ イ プ | 1段圧縮 |
2. 大容量モデル水素圧縮機用水素ブースター供給開始の背景
スギノマシンは2021年度から水素圧縮機用水素ブースターを川崎重工業と共同開発し、2023年度から販売元の川崎重工業に供給を開始しています。
近年、バス・トラックなどの燃料電池車大型商用車は、燃料として多くの水素を必要とするため、水素ステーションでの充填に時間を要します。今後、FC HDVが普及するためには、水素を大流量で迅速かつ、より多くの車両に充填できる大規模水素ステーションの実現が不可欠であり、水素ステーション内で水素ガスを圧縮する役割を担う水素圧縮機の大容量化が必要になると考えられます。
そこで、従来圧縮機(300 Nm3/h)に加えて、当社製の水素ブースターの組み合わせを変更することで大型圧縮機(600 Nm3/h)を新しくラインアップしました。
3. 水素ブースターの特徴
・当社製の水素ブースターを組み合わせることで、様々な供給形態の水素ステーションに対応することができます。
・水素ガスは最大82MPaGの超高圧に圧縮されるため、水素ブースターは非常に過酷な条件で作動することになりますが、当社が長年培ってきた高圧水圧縮技術を応用することで、高い耐久性を実現し、信頼性を獲得しています。
・水素ブースターはメンテナンス性にも配慮されており、ランニングコストの低減が可能です。
※川崎重工業製水素圧縮機は水素ステーションで燃料電池自動車(FCV)に水素ガスを圧縮充填するために使用するもので、当社製の水素ブースターは川崎重工業の油圧システムにて使用する前提で設計されています。
4. 今後の展開
今後も当社の超高圧技術を活用して、カーボンニュートラルに貢献していきたいと考えています。