【ニュースリリース】自動搬送付 インライン洗浄・乾燥機 「JCC 701 ROBO」を開発
2020年10月8日
産業機械メーカーの株式会社スギノマシン(富山県魚津市、代表取締役社長:杉野良暁)は、水を高圧で噴射し、自動車などの金属部品の洗浄を行う高圧水部品洗浄機「JCCシリーズ」の新機種、「JCC 701 ROBO」を開発しました。機内に自社製の防水ロボットを搭載し、自動化と省スペース化を実現します。
本商品は、10月14日から開催される「2020洗浄総合展オンライン 」出品します。
装置概要
水を高圧で噴射し、あらゆる部品を洗浄する、高圧水部品洗浄機のベストセラー「JCC」シリーズの新商品です。機内に自社製のスイングアーム式コラムロボットを搭載することで、搬送・洗浄・乾燥の3つの機能を1台に集約しました。
ロボットは防水機能付きで、隣接する加工機内へアクセスし、ワークを掴んで搬送と洗浄・乾燥を行います。これ1台で、搬送装置が不要な加工・洗浄ラインを形成でき、自動化と省スペース化が可能です。
開発背景
近年、自動車には環境対策や低燃費化が求められており、加えてEV(電気自動車)化の流れで、部品の小型化や高機能化が進んでいます。部品内部に残留する切粉などの異物は、部品の早期摩耗や、電子部品の短絡(ショート)発生の原因となり、重大な事故につながる恐れがあるため、自動車メーカーではますます厳しく管理されるようになっています。
それと同時に、生産年齢人口の減少に伴って人手不足が深刻化しており、日本社会全体で、生産性の一層の向上が喫緊の課題となっています。
これらを受け、より高度な洗浄能力と、自動化による生産性の向上を追求し、本商品を開発しました。
特長
(1)3つの機能を1台に集約
防水仕様のコラムロボットがワークをハンドリングし、搬送、洗浄、乾燥の3つの機能を担います。搬送装置の導入が不要で、自動化と同時に省スペース化を実現します。
(2)小規模加工・洗浄ラインを構築
ロボットのストロークは、前と左右の3方向にそれぞれ1,000mmと、ロングストローク。隣接する加工機や機械前方のコンベアにアクセスでき、ワークを掴んで搬入出を行います。加工ライン内に洗浄機を組み込むことができ、これ1台で小規模な加工・洗浄ラインを構築できます。
(3)メンテナンスエリアの集約
メンテナンス機器を機械後方に集約したことで、両側面に加工機を隣接できます。また、フィルタ交換などの定期メンテナンスが、背面の1面扉を開くだけで完結します。
(4)センシングによる日常点検レス
ワークの生産情報や、設備保全・メンテナンスに関するデータを、パソコンに取り込むことができます。メンテナンスの周期などが把握でき、日常点検の手間が省け、生産性向上に貢献します。
(5)ロボットは防水対策が不要
搭載している自社製のスイングアーム式コラムロボットは、全軸に防水機構を採用しています。ユーザー側で防水対策は不要で、導入後すぐにご使用いただけます。
仕様等
商品名 | 自動搬送付 インライン洗浄・乾燥機「JCC 701 ROBO」 |
用途 | EV/HV車用部品や自動車部品の切粉除去、洗浄、乾燥
例:インバータケース、バッテリーカバーなどの小型部品 |
洗浄圧力 | 1.8MPa (オプションで高圧対応も可能) |
流量 | 100L/min |
乾燥 | エアブロー / ホットエアブロー(オプション) |
搬送 | 防水コラムロボット(6軸) |
搬送ストローク | 前・左・右の各方向に1,000mm |
対応ワークサイズ | 幅250mm × 奥行200mm × 高さ100mm
※ 対応ワークサイズは目安です。より大きなワークにも対応できる場合があります。 |
対応ワーク質量 | 治具を含めて15kg以下 |
最大合成速度 | 8.3m/sec |
機械寸法 | 幅1,000mm × 奥行2,600mm × 高さ2,650mm |
機械質量 | 2,000kg |
販売開始時期 | 2020年 11月 販売開始 地域:国内外を対象 |
■用語補足
・2020洗浄総合展オンライン
産業洗浄に関する最新製品・技術が集う展示会です。新型コロナウイルスの感染拡大をうけ、当初予定していた東京ビッグサイトでの開催から、オンライン開催に変更となりました。
・スイングアーム式コラムロボット
高剛性、狭小空間に設置可能、容易なシステム化などが特長の、自社製産業用ロボットです。
単体で動作する基本タイプや、洗浄機や工作機械の室内に組み込む防水タイプなどをラインアップしています。
■関連リンク
―本件に関するお問い合わせ先―
■株式会社スギノマシン■
精密機器事業本部 JM生産事業部 JM技術部 応用開発課(早月事業所)
TEL:(076) 477-2556