【ニュースリリース】洗浄液・切削油 浄化ユニット「JCC-HM」の新機種を発売
2020年10月13日
産業機械メーカーの株式会社スギノマシン(富山県魚津市、代表取締役社長:杉野良暁)は、マイクロバブルを利用した切削油・洗浄液浄化ユニット「JCC-HM(ジェイシーシー エイチエム)」の、新機種を発売します。従来機の処理構造を見直し、処理能力を向上しながら、装置サイズを半分に抑えました。お客様のコスト削減と、環境負荷の低減に貢献します。
本商品は、10月14日から開催される「2020洗浄総合展オンライン 」に出品します。
装置概要
マイクロバブルの力で、液中の異物・油分を除去する浄化ユニットです。水溶性洗浄液から切削油まで幅広く使用できます。
マイクロバブルには、液中の粒子を凝集させる特性があるため、液中の切粉などの異物や油分を付着させることができます。汚れが付着した泡が液面に浮上することで、汚れを分離・浄化します。フィルタを使用しないため、回収した切粉や油分以外の廃棄物が出ることがなく、環境に優しい処理方法です。
昨年6月に発売した従来機の構造を見直し、処理能力を向上させると同時に、装置サイズは従来機の半分に抑えました。処理能力アップと小型化で、より多くのお客様のニーズに応えます。
開発背景
製造現場で用いられる工作機械や洗浄装置は、切削油や洗浄液を使用しており、使用済みのこれらの液は、産業廃棄物として処理されます。産業廃棄物を減らすことは、近年、世界で注目されているSDGsの取り組みにおいても重視されています。そこで、切削油・洗浄液を長く使用できるようにすることで、廃棄量を抑制する動きが広がっており、これらのニーズに応えるため、浄化ユニットを開発しました。
また、従来品を販売する中で、①回収した汚れを簡単に廃棄できるようにしたい ②廃液量(汚れと一緒に流れ出る液の量)の削減 ③小型化 ④低価格化 といったニーズがあることがわかり、今回の商品改良に至り、新機種をラインアップに追加しました。
[SDGsへの貢献]
・廃液(産業廃棄物)を大幅に削減できる。(12:つくる責任使う責任)
・フィルタなどの産業廃棄物が出ない。(12:つくる責任使う責任)
・作業者の環境を改善し、健康を保護。(8:働きがいも経済成長も)
特長
<原理図>
【JCC-HMの特長(従来機同様)】
(1)フィルタが不要!マイクロバブルで汚れを浮かせて除去
マイクロバブルに液中の汚れ(異物・油分など)を付着させ、水面に浮上させることで、液を浄化します(原理図1)。液面に浮かせた汚れを取り除くため、他工法では必要なフィルタが不要です。産業廃棄物の削減、消耗品のコスト削減、作業者のフィルタ交換の手間削減と、多くのメリットがあります。
(2)独自の内部構造で、汚れを素早くきれいに分離
9枚羽のコアレッサを5つ搭載し、合計45枚の羽根で、汚れが付着した泡を凝集させます(原理図1)。泡が大きくなると浮上速度が上がるため、素早く汚れを分離できます。
(3)エアだけで稼働、電源不要
必要な動力はエアだけで、電源が不要です。必要な準備は2本のホース(汚水IN/浄化水OUT)とエアを接続するだけで、設置が簡単ですぐに稼働できます。
【新機種の特長】
(1)流路の見直しで性能アップ
装置構造を見直し、処理した汚水を再処理する機構を新たに搭載(原理図2)。汚水を繰り返し処理することで、従来機と比べて処理能力が向上しました。
(2)汚れの排出作業を簡易化 & 廃液量は従来の1/5に
浮上させた汚れを溜めておく分離槽を新たに設け、分離した汚れのみを簡単に排出できるようになりました。また、これにより分離した汚れと一緒に流れ出る廃液の量を、従来の1/5まで抑えることができました。
(3)設置場所を選ばない卓上サイズ
構造変更に伴い、装置本体の大きさも従来の約半分に抑えることができました。これにより、加工・洗浄装置のタンク上に設置することも可能になりました。オプションとして専用の台車もご用意しており、お客様のニーズに合わせて、設置場所を自在に変更できます。
液中の異物・油分除去のメリット
液中の異物除去促進によるメリットは以下の通りです。
① 液の寿命が延長し、更液・廃液処理コストの低減と環境負荷の低減
② 異物が取り除かれることで、ワークの清浄度(洗浄機)/加工精度(加工機)が向上
③ 加工・洗浄設備の、各消耗部品の寿命延長(液中の異物による摩耗を防ぐ)
④ 液の腐敗による悪臭の軽減、作業環境の改善
(液中の汚れ・油分を除去し、酸素を送り込むことで、悪臭の原因となる嫌気性細菌の増殖を抑制)
仕様等
商品名 | JCC-HM(ジェイシーシー エイチエム) |
処理能力 | 8L/min (供給エア圧0.1MPa) |
エア消費量 | 40L/min (供給エア圧0.1MPa) |
騒音 | 70dB(A)以下(等価騒音) |
対応液温 | Max.50℃ |
ユーティリティ
(駆動に必要な設備) |
圧縮エア
※電源は不要 |
外観寸法 | 幅540 × 奥行470 × 高さ370 mm |
質量 | 30kg |
タンク容量 | 20L |
販売開始時期 | 2020年 10月 地域:国内外を対象 |
■用語補足
・マイクロバブル
直径100μm未満の小さい泡のこと。
・2020洗浄総合展オンライン
産業洗浄に関する最新製品・技術が集う展示会です。新型コロナウイルスの感染拡大をうけ、当初予定していた東京ビッグサイトでの開催から、オンライン開催に変更となりました。
■関連リンク
―本件に関するお問い合わせ先―
■株式会社スギノマシン■
精密機器事業本部 JM生産事業部 JM技術部 応用開発課(早月事業所)
TEL:(076) 477-2556