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[ニュースリリース]セルロースマイクロファイバー(CMF)の開発および、樹脂複合材料による軽量・高剛性化自動車部品サンプルの「クルマの軽量化技術展」展示のお知らせ

2020年1月14日

株式会社スギノマシン(本社:富山県魚津市、社長:杉野良暁)は、株式会社タカギセイコー(本社:富山県高岡市、社長:高木章裕)および富山県立大学(富山県射水市、学長:下山勲)と共同でセルロースマイクロファイバー(CMF)に関する研究を進めています。

今回、スギノマシンと富山県立大学が新規に開発したCMFを使用して、タカギセイコーがサンプルを製作しました。

タカギセイコーは「クルマの軽量化技術展」(2020年1月15日(水)~17日(金)、於:東京ビッグサイト)に、開発中のCMFを利用した樹脂複合材料および上記サンプルを初めて、参考出品します。

セルロースマイクロファイバーおよび複合体

1.新規開発品について

開発したCMFは、従来のセルロースナノファイバー(CNF※1)とは異なり、平均繊維径が数マイクロメートルサイズの繊維であり、その表面にはナノ化された繊維構造が枝分かれして存在します。表面のみをナノ化したマイクロサイズの繊維径とすることで、従来のCNFよりも樹脂へ添加した時の引張強度※2や弾性率※3を高め、さらには線熱膨張率※4を低減できました。

補強および線熱膨張低減効果の高いフィラー※5という市場ニーズへの対応と、環境に配慮した植物由来の次世代フィラーの実現を目標として開発された新素材です。

 

既存製品と比較した新規性・優位性について

  • 従来のCNFと比較して、樹脂に添加した時の補強効果が高く、添加により優れた引張強度、弾性率、低線熱膨張率を示します。
  • 表面がナノ化されているため、アンカー効果※6によるマトリックス樹脂との接着性を高め、補強性を向上させます。
  • 現在市場で販売されている乾燥状態のセルロース繊維は20~30μm程度の繊維径が主流であり、数マイクロメートルサイズのセルロース繊維は上市されておらず、新規性が高いフィラー素材です。
  • バイオマス由来のサスティナブル(持続可能な)材料であり、環境にやさしく、サーマルリサイクル性を有します。

 

販売情報

開発中の商品のため、販売時期、価格、販売計画は未定です。

「クルマの軽量化技術展」へ初出展

上記開発品を利用したサンプルを、初めて参考出展します。

出展者:タカギセイコー

出展品:・新規開発したCMFを利用した樹脂複合材料

    ・自動車部材向けに成形加工したサンプル

    ・その他商品

3.新規開発品の特性に関する補足

<CMFの電子顕微鏡写真>

CMFの電子顕微鏡写真

(左:1000倍、右10000倍)
数μmの繊維表面には枝分かれしたナノ繊維が観察できます。

<ポリプロピレンへの添加効果>

CMFグラフ

応力ひずみ線図からは、CMFの添加濃度を高くすることで最大応力、弾性率が大きく向上していることが分かります。また線熱膨張率は、CMFの添加濃度を高くするほど減少しています。

 

用語説明

※1 CNF  セルロースナノファイバー(CNF)はセルロース分子が数十本束になった幅3~4nmの微小繊維(セルロースミクロフィブリル)の集合体です。 

※2 引張強度  材料に引張り力が加わったときの材料の強さを表します。 

※3 弾性率  弾性体に外力を加えて変形させるとき、弾性範囲内での応力とひずみとの比率のこと。 

※4 線熱膨張率  温度をセ氏1度上げたときの物質の長さの増加量と、もとの長さとの比のこと。

※5 フィラー  物性や高機能、あるいはコストダウンを実現するために添加される充填材の総称で、様々な複合化材料の鍵となる素材。

※6 アンカー効果  接着や塗装において、材料表面の微細な凹凸に接着剤が木の根のように入り込んで硬化することで接着力が高まる効果のこと。

■関連リンク


―本件に関するお問い合わせ先―

■株式会社スギノマシン■

経営企画本部 新規開発部 開発プロジェクト一課

TEL:(0765)24-5118  E-mail:binfis@sugino.com

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