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【ニュースリリース】環境配慮型原料、CNF活用に関する技術資料を公開

環境配慮型原料、CNF活用に関する技術資料を公開​
​セラミックス向けバイオマス結合剤


2024年4月30日

株式会社スギノマシン(富山県滑川市、代表取締役社長:杉野 良暁)は、バイオマス由来のセルロースナノファイバー*1(商品名:BiNFi-s)の活用に関する技術資料(テクニカルレポート)を新たに公開しました。技術資料では、BiNFi-s添加によるセラミックスへの効果についてまとめています。

 

1.セラミックス向け結合剤としてのBiNFi-s活用

酸化アルミニウム、チタン酸バリウムなどのセラミックスには、成形や焼結を容易にするために、結合剤(バインダー)が添加されています。ナノファイバーの構造を持つBiNFi-sは、セラミックスを効果的に成形補強し、さらには添加するバインダーの総量低減や燃焼時に発生する有害ガスの低減が期待できます。
技術資料では、BiNFi-sを添加したセラミックスでグリーンシートやグリーンボディ*2を試作し、セラミックスシートの屈曲性やハニカム*3構造体の成形例についてまとめています。

またBiNFi-sのセラミックスへの適用例としてハニカム構造体 (図1)などを、5月8日(水)から開催される「CERAMIC JAPAN[大阪]高機能セラミックス展*4」に展示します。

ハニカム構造体

図1 BiNFi-sを添加したハニカム構造体

 

2.技術資料(テクニカルレポート)の内容(抜粋)

①BiNFi-s添加による高分子バインダーの低減効果

BiNFi-sと汎用の高分子バインダーを併用することで、バインダー総量が低減でき、セラミックスシートの保管時に求められるシートの柔軟性が保持できます。

 

②繊維長の異なるBF添加アルミナグリーンシートの比較

重合度(繊維長)が異なるBiNFi-sを用いて、グリーンシートの引張強さと破断伸びの影響を調べたところ、引張強さと破断伸びの両方で、BiNFi-sの繊維長に依存した結果が示され、長い繊維長のBiNFi-sを添加したシートでは、引張強さと破断伸びが共に大きくなりました。

 

③構造体での効果

BiNFi-sを添加した棒状の成形体を試作して、強度を測定したところ、シートと同様に曲げ強度の向上が見られました。またハニカム構造体の成形では、BiNFi-sと汎用バインダーを併用することで、押出成形により成形体を作製できました。少ないバインダー量で複雑な構造の押出成形を可能にし、焼成時の発生するガスや臭気の低減が期待できます。

 

※資料の内容は、富山県新世紀産業機構の産学官オープンイノベーション推進事業で、富山県産業技術研究開発センターとの共同研究で得られた成果です。
富山県産業技術研究開発センター研究報告 No.35(2021) ,p.46、No36 (2022) ,p.40

 

3. 技術資料(テクニカルレポート)について

今回の研究結果は、スギノマシンが発行している技術資料(テクニカルレポート)で詳細を報告しています。各種実験データを掲載し、実用化に向けた技術情報を紹介しています。

テクニカルレポートはスギノマシンのWebサイトからダウンロードいただけます。
◆ 詳細はこちら

 

4.用語・補足

*1 ナノファイバー
繊維を直径 100 nm以下、長さ 数µmのサイズへ微細化したもの

*2 グリーンシート、グリーンボディ
弱く結合したセラミックス材料を主成分として、焼結や焼成前にシート状や構造体に成形したもの
*3 ハニカム
英語でハチの巣という意味で、正六角形または正六角柱を隙間なく並べた構造のこと。ハニカム構造は軽くて高強度であり、音や衝撃を吸収し、断熱効果をもつことから、多くの構造材料中で利用されている。

*4 CERAMIC JAPAN[大阪] - 高機能セラミックス展-
【会期】2024年5月8日(水)~10日(金)
【場所】インテックス大阪
【URL】https://www.material-expo.jp/osaka/ja-jp/visit/cera.html

 


―本件に関するお問い合わせ先―

■株式会社スギノマシン■

微粒装置部 新材料開拓係 

TEL:(076)477-2572

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