【加工事例】鋳造部品の複数種類バリ取り【ロボットバリ取り#05】

ワーク情報

ワーク情報
材質
- AC4C
前加工
- グラビティ鋳造、フライス加工
バリの種類
- 鋳造バリ、切削バリ
加工情報
加工内容
- フライス加工後のエッジ面取りC0.3指示
- パーティングライン(鋳造バリ)の高さ0.1mm以下
現在の加工方法
- ヤスリ・リューター、ベルトサンダーを使い分け手作業
合格判断基準
- C面がC0.3以内に収まっていること
- 手で触ってわかるバリが残存していないこと
課題
課題① : 生産数が多いため作業者の負担が大きく、バリの取り忘れが発生する
課題② : 作業者の熟練度で品質に差ができる
バリ取り診断
目的・目標値
目的
- バリ取り品質の安定化
- 作業者の負荷軽減
- 手作業の自動化または省人化
目標値
- 面取り量 : C0.3以内
- バリ高さ : 0.1mm以下
- サイクルタイム : 70秒/個
自動化を困難にさせる要因
要因1 :材質
グラビティ鋳造のアルミ鋳物のため、寸法や形状にばらつきが生じるため、面取り量が安定しない
要因2 : バリの種類
2種類のバリがあり、1つのツールや工具のみでは対応できない
要因3 : サイクルタイム
加工箇所が多く、目標CT内に加工するにはATCやハンドチェンジする余裕がない
選定機種・加工条件
選定機種
使用ユニット②

型式 : BRQ-EL02
フローティングタイプ : 傾動型
※RDM-S専用ユニット
使用ロボット

機種 : 垂直多関節ロボット
可搬質量 : 7kg
使用工具(伸縮型用)

種類 : 超硬ロータリーバー
形状 : 90°円錐型
刃先 : ストレート刃/シングルカット
直径 : Φ12.7
使用工具(傾動型用)

種類 :フローティング加工専用刃物
直径 : Φ10
加工条件
BRQ-EZ01 | BRQ-EL02 | ||
---|---|---|---|
回転速度 | 8,000min-1 | 回転速度 | 15,000min-1 |
送り速度 | 6,000mm/min | 送り速度 | 6,000mm/min |
スプリング | 弱スプリング | フロート圧 | 0.05MPa |
押し込み量 | 3mm | 押し込み量 | 3mm |
加工レポート
加工結果

加工結果
- 面取り量 : MAX.C0.29 MIN.0.22
- バリ高さ : 0.1mm以下
- サイクルタイム : 60秒/個
加工のポイント
Point1 : プログラム補正が不要
フローティング機構が寸法や形状のバラつきを吸収し品質安定化!
Point2 : バリの種類に適合したフローティング機構
伸縮型・傾動型の2種類のフローティング機構を使い分け。
切削バリには伸縮型、鋳造バリには傾動型で加工することで高速・高品質なバリ取りを実現!
Point3 : ツインスピンドルで高速ツールチェンジ
伸縮型・傾動型の2種類のフローティング機構をを2本把持。ロボットハンドを回すだけでツールチェンジ!
素早く工具交換が完了し、サイクルタイム短縮に貢献!

■ ツインスピンドルによるツールチェンジ
加工動画
準備中…