2026.06.25
最終更新日: 2026.06.25
  • 技術コラム

湿式微粒化装置の活用の場#02 カーボンナノチューブの分散

CNTアイキャッチ

本記事では、カーボンナノチューブ(CNT)の特長と導電助剤としての使用における課題、そして課題解決のために当社製の湿式微粒化装置 スターバーストがどう活用されているかを説明します。

カーボンナノチューブ(CNT)とは

カーボンナノチューブ(CNT)は、炭素原子が筒状に結合したナノ材料です。
発見以来、その優れた特性から幅広い産業分野で注目を集めています。

今回はその生産工程において、当社の湿式微粒化装置が果たす役割について記載します。

CNTは軽量でありながら高い強度を持つほか、優れた電気伝導性や熱伝導性を有しています。
また、原料となる炭素は豊富に存在する元素であるため、将来性の高い先端材料として研究開発が進められています。

特に近年では、電気自動車や携帯端末用のリチウムイオン電池(LiB)の分野において、導電助剤としての活用が拡大しています。
CNTを電極材料へ添加することで、電極内部に効率的な導電ネットワークを形成できるため、電池性能の向上に寄与すると期待されています。

そのため、次世代の電池材料としてCNTへの注目が高まっており、これらの製造工程における分散技術の重要性も増しています。

CNTの製造と分散

カーボンナノチューブ(CNT)の製造方法には、アーク放電法、レーザーアブレーション法、CCVD法などがあります。
しかし、製造直後のCNTは凝集した状態で存在するため、そのままでは本来の特性を活用することが困難です。

CNTは高い強度や優れた電気伝導性を有していますが、凝集した状態ではこれらの特性を十分に発揮できません。
そのため、用途に応じて液体中に均一に分散させる工程が重要となります。

また、CNTは繊維状の構造を持つため互いに絡み合いやすく、強い凝集性を示します。
一度分散しても時間の経過とともに再凝集するため、安定した分散状態を維持することが課題となっています。

特にリチウムイオン電池の電極材料では、CNTを導電助剤として使用することで電極内部に導電経路を形成し、それが電池性能の向上に役立ちます。

この効果を十分に得るためには、CNTが電極材料中に均一に分散していることが重要です。

そのため、リチウムイオン電池向けでは、あらかじめCNTを均一に分散させたCNT分散液やCNTペーストとして調製し、電極製造工程へ供給するケースが多いです。

CNTを均一に分散させるには

CNTを液中に均一に分散させるため、分散剤や界面活性剤、各種ポリマーを利用した方法が広く用いられています。
また、機械的なせん断力を利用するボールミルやビーズミルなどの分散装置も使用されています。

しかし、CNTは繊維状の構造を持つため、分散条件によっては繊維の長さが短くなったり、構造に変化を生じる場合があります。
また、装置や媒体との接触により異物混入のリスクが生じ、用途によっては品質管理上の問題となります。

CNTの分散状態は最終製品の性能に大きく影響します。
例えば、リチウムイオン電池用導電助剤として使用する場合には、CNTが効率的な導電ネットワークを形成できることが重要であり、過度な損傷や異物混入を避けながら均一に分散させることが求められます。

そのほか、超音波分散装置や高圧ホモジナイザーを利用した分散方法もありますが、処理条件や生産規模によってはその処理能力の低さが課題となる場合があります。

このように、CNTの性能を最大限に活かすためには、繊維長および繊維構造への影響を抑えながら均一な分散状態を実現できる分散技術が重要となります。

スギノマシンの湿式微粒化装置の役割

当社が製造・販売する湿式微粒化装置「スターバースト」は、CNTの繊維長および繊維構造への影響を抑えながら、凝集体を効率的に分散することが可能です。

スターバーストは当社の持つウォータージェット技術を応用しています。原料同士をマッハ4の相対速度で高速衝突させることで凝集体を解砕し、均一な分散状態の実現をサポートします。

また、同一条件下で原料同士を衝突させる処理方式を採用しているため、安定した処理を行いやすいことも特長の一つです。
さらに、噴射圧力などの処理条件を調整することで、用途に応じた分散状態の制御が可能です。

リチウムイオン電池向け導電助剤の用途では、CNTの分散状態や繊維長が最終性能に影響を与えます。
当社装置では、処理条件やチャンバー構成を最適化することで、用途に応じた分散処理をご提案しています。

 

さらに、当社ではスターバーストと合わせて使用できる溶剤系分散剤も取り扱っております。

まとめ

カーボンナノチューブ(CNT)は優れた電気伝導性や特性を持つ材料ですが、その性能を十分に発揮するためには適切な分散処理が不可欠です。

特にリチウムイオン電池向け導電助剤の用途では、CNTの分散状態や繊維長が最終製品の性能に大きく影響します。

当社の湿式微粒化装置「スターバースト」は、ウォータージェット技術を活用し、CNTの繊維長および繊維構造への影響を抑えながら均一な分散処理を行うための選択肢の一つです。

用途や求められる性能に応じた分散条件の検討も可能ですので、お気軽にお問い合わせください。

カーボンナノチューブ(CNT)の分散/湿式微粒化装置スターバースト「STAR BURST MINI」
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