【ニュースリリース】CNC タレット形 高圧洗浄・乾燥マシン「JCC 303 TT」を発売
2020年8月26日
産業機械メーカーの株式会社スギノマシン(富山県魚津市、代表取締役社長:杉野良暁)は、水を超高圧で噴射し、自動車などの金属部品のバリ取り・洗浄を行う、高圧水バリ取り洗浄機「JCC シリーズ」の新機種、「JCC 303 TT」を発売します。
ターンテーブル(パレットチェンジャー)を搭載し、高圧水による部品の洗浄・バリ取りと、エアブロー(乾燥)を一台で同時に行うことができる洗浄機です。ユニットの高速化と加速度アップにより、サイクルタイムを従来機と比べて約30%短縮することに成功しました。また、エアブローには自社製のスイングアーム式コラムロボット(*1)を採用し、高精度な乾燥を実現しました。
装置概要
水を超高圧で噴射し、あらゆる部品のバリ取り・洗浄を行う、高圧水バリ取り洗浄機のベストセラー「JCC」シリーズの新商品です。
機械室内に洗浄対象物を載せる回転式のテーブル(ターンテーブル)を設け、片側では高圧バリ取り・洗浄を行い、同時に片側ではエアブロー乾燥を行います。エアブロー乾燥には自社製のスイングアーム式コラムロボットを採用しており、ロボットアーム先端のノズルが対象物の周りを自在に動いて、エアブロー乾燥を行います。
開発背景
近年、自動車には環境対策や低燃費が求められ、小型化や高機能化が進んでいます。駆動系ユニット内部に残留する異物やバリは、早期摩耗の原因になるだけではなく、重大な事故の発生原因になり得るため、自動車メーカーでは以前よりも厳しく管理されてきています。
さらに、EV(電気自動車)化の流れにより、より高い清浄度が必要な部品が増えると同時に、生産性の一層の向上が求められています。
これらを受け、より高度な洗浄能力と、洗浄工程にかかる時間の短縮を叶えるため、本商品を開発しました。
特長
(1)高速移動・サイクルタイム短縮
XYZコラム、円テーブルの性能アップにより、早送り速度が25%、加速度が70%向上しました(従来機比)。
非洗浄時間を削減でき、サイクルタイムを約30%短縮します。
(2)自社製コラムロボットによる高効率乾燥
エアブローには自社製のスイングアーム式コラムロボットを採用し、エアブロー室内に搭載しました。
ロボットアーム先端のノズルが、対象物の周りを自在に動きながらエアブローを行うことで、従来の方法と比較して、高効率で高精度な乾燥を実現しました。
(3)工程集約による生産性向上
高圧洗浄室とエアブロー室を設置し、高圧バリ取り洗浄と洗浄後の部品乾燥を一台で同時に行います。
工程集約によりサイクルタイムを大幅に短縮し、生産性を向上させます。
(4)省スペース化
高圧洗浄機と乾燥機の2台が必要だった工程を1台で対応できるため、設置スペースを従来の半分に抑えられます。
(5)対象ワーク大型化、多品種混流生産
ストロークの拡大により、従来は精密狙い撃ち洗浄が困難だった大型ワークの6面洗浄が可能になりました。
また、異なるワークを同時に洗浄、乾燥することができ、多品種混流生産が可能です。
(6)サーボモータ駆動式ポンプの採用
サーボモータ駆動により、ポンプ停止状態の監視が可能です。
さらに、洗浄圧力をプログラムから変更でき、ターゲットに合わせた最適条件で洗浄が可能です。
仕様等
商品名 | CNCタレット形 高圧洗浄・乾燥マシン「JCC 303 TT」 |
用途 | EV/HV車用部品や自動車部品のバリ取り、切粉除去、洗浄、乾燥
例:EV/HV車用モータカバー、ステータハウジング、インバータケース |
洗浄圧力 | Max.50MPa |
流量 | Max.29L/min |
ストローク | X軸750mm、Y軸500mm、Z軸500mm |
主軸回転速度 | Max.1,000min-1 |
ツール本数 | 6本 |
機械寸法(装置本体) | 幅1,600mm×奥行3,450㎜×高さ3,000㎜ |
機械質量(装置本体) | 5,800㎏ |
制御装置 | FANUC 0i-MF |
販売開始時期 | 2020年8月26日 販売開始 地域:国内外を対象 |
■用語補足
スイングアーム式コラムロボット
高剛性、狭小空間に設置可能、容易なシステム化などが特長の、自社製産業用ロボットです。
単体で動作する基本タイプや、洗浄機や工作機械の室内に組み込む防水タイプなどをラインアップしています。
■関連リンク
―本件に関するお問い合わせ先―
■株式会社スギノマシン■
精密機器事業本部 JM生産事業部 技術部 JM設計課(早月事業所)
TEL:(076) 477-2556