2020.07.21
最終更新日: 2024.07.12
  • 技術コラム

キチンナノファイバー、キトサンナノファイバー

キチンナノファイバー、キトサンナノファイバーとは

キチンナノファイバーは、甲殻類の殻からとれる動物由来のキチンを原料としたナノファイバー素材です。

甲殻類の殻の主成分であるキチンは、地球上でセルロースの次に多く存在する高分子で、年間生産量はセルロースとほぼ同様と推定されています。

キトサンは、キチンを脱アセチル化することで得られるカチオン性の高分子です。

キチンナノファイバー、キトサンナノファイバーは、CNFと同様の構造と特長をもち、高い生体適合性もあわせもつため、医療・医薬業界ではCNF以上に期待されています。

また、キチン・キトサンを分解して得られるN-アセチルグルコサミン・グルコサミンは、機能性食品としても注目されています。

キチン・キトサンナノファイバーの形状

その構造はセルロースに似ていますが、キチンはN-アセチルグルコサミン、キトサンはグルコサミンが各々鎖状につながった構造をとっています。キチン・キトサンは窒素を含んだアミノ多糖であり、セルロースと異なる機能が期待されます。
キチンは火傷などを早くきれいに治す創傷被覆剤、キトサンは抗菌防臭繊維の有効成分や健康食品にも活用されています。また、キチン・キトサン誘導体の保湿性を利用したヘアケア・スキンケア製品も販売されており、生理活性を活かした商品開発が進んでいます。

キチン・キトサンナノファイバーの用途・応用

環境浄化剤

キトサンナノファイバーは、表面の多数のアミノ基でアニオン性の環境負荷物質を吸着します。
キトサンナノファイバーとホルムアルデヒド分解酵素の複合体の例では、キトサンナノファイバーで吸着し、吸着した環境負荷物質は酵素で分解できるため、半永久的に効果が持続する浄化剤として活用できます。また、キトサンナノファイバーとの複合化物を適宜選択することで、他の環境負荷物質の浄化を行うことも可能です。

細胞培養基材

キチン・キトサンナノファイバーは、その生体適合性を利用することで、細胞培養基材として利用できます。
具体例として、キトサンナノファイバー(BiNFi-sキトサン)で多孔質体を成形し、ラットの肋軟骨細胞を培養した結果を示します。BiNFi-sキトサンを用いて培養することで、4週間後に細胞塊(図の黄色矢印部分)が多数出現していることが確認できます。培養の足場材としての利用が期待できます。

活用分野

化学 ・・・・・・樹脂補強材、ゴム補強材、透明材料基材など
電子・電機 ・・・電極材料、導電補助材 など
繊維 ・・・・・・補強材、バインダー材、吸着材、フィルター  など
化粧品 ・・・・・ベース剤、保湿剤、日焼け止め など
食品 ・・・・・・機能性成分、増粘剤、保湿・保形剤 など
医薬品 ・・・・・生体適合材料、フィルム剤、止血剤 など
建築材料 ・・・・建材・内装材の多機能化 など
顔料 ・・・・・・トナー、液晶カラーフィルター、プリンター用インク、各種塗料 など

多様なナノファイバー素材を開発・製造・販売

スギノマシンは、これらのセルロースナノファイバー、キチンナノファイバー、キトサンナノファイバー、シルクナノファイバーをバイオマスナノファイバー「BiNFi-s(ビンフィス)」シリーズとして、用途にあわせてご提供できます。

独自のウォータージェット製法(詳細はこちら)により、異なる原料を用いてナノファイバーを製造することができることが強みの一つです。

技術情報

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