【ニュースリリース】早月事業所新工場・微粒テストセンター竣工のお知らせ
2021年5月25日
産業機械メーカーの株式会社スギノマシン（富山県魚津市、代表取締役社長：杉野良暁）が、今後のより一層の競争力向上と市場の需要発掘を目指し、早月事業所（富山県滑川市栗山）内で建設を進めてきた新工場・微粒テストセンターが完成しました。
当社のコア技術である超高圧分野において、生産能力の拡大と、引き合いに即応できる体制を整えるとともに、電子部品や医薬品の素材分野を中心とした、開発・生産の世界的な需要に応えて参ります。
世界的にテレワークやWeb 活用が進められる中、5G に代表される通信関係の投資は今後も増加すると予想されます。新工場では、電子部品や電池、医薬品などの需要増に対応できるよう、それらの素材の生産工程で活用される微粒子化（分散、乳化、粉砕、へき開※1 など）を行う装置の生産およびテスト体制を増強します。
新工場の建設により、1.5 倍の売上増加を見込んでいます。今後も、世界各国のニーズに迅速に対応し、高品質な商品を提供することで、社会の発展に寄与して参ります。
新工場・微粒テストセンター概要
- 所在地 富山県滑川市栗山2880番地
- 工場建設着工 2020年7月
- 竣工 2021年5月
- 稼動開始予定 2021年5月にライン稼働
- 建物の規模 延べ床面積 2,732㎡
- 建物の構成 一部2階建て 技術研究棟および組立工場・テストセンター
- 投資金額 約15億円（投資額）
- 施工業者 株式会社熊谷組
本工場の機能
1．生産
- 超高圧湿式微粒化装置「スターバースト」
- 高速気流乾式粉砕機「ドライバースト」
- エアレーションジェット洗浄機「ジェットストームウォッシャー」
- 天然由来バイオマスナノファイバー「ビンフィス」
（セルロースナノファイバー、キチン・キトサンナノファイバー、シルクナノファイバー等）
2．微粒子化（分散、乳化、粉砕、へき開など）テスト
- スターバーストによる粉砕・分散試験、粒子計測
- ドライバーストによる粉砕試験
- ジェットストームウォッシャーによる杵臼洗浄試験
3．技術開発、設計
商品概要（新工場・微粒テストセンターの取扱い品）
湿式微粒化装置「STAR BURST（スターバースト）」
超高圧に加圧した原料同士を超高速（マッハ4の相対速度）で衝突させることで、分散・乳化・粉砕・へき開等を行う、湿式微粒化装置です。
粉砕媒体を使用しないクリーンな工法で、電子部品材料、電池材料、半導体、顔料・塗料、医薬・化粧品原料など、幅広い用途で導入されています。
乾式粉砕機「DRY BURST（ドライバースト）」
毎分2万回転で高速回転するインペラにより発生した気流が、原材料同士を対向衝突させ、平均粒径が5μm※2 以下の粉末を、コンタミ（不純物）が少ない状態で生成する装置です。
医薬品打錠機杵臼洗浄機「JET STORM WASHER-M ジェットストームウォッシャーM 型」
洗浄・脱脂・水切り・熱風乾燥まで全てを自動で行える、エアレーションジェット式の水中洗浄機です。
製薬・食品業界向け打錠機の杵・臼72セットまでを、半水没方式によるジェット水流とエアレーションで、同時に洗浄することが可能です。
バイオマスナノファイバー「BiNFi-s（ビンフィス）」
セルロースナノファイバー、キチン・キトサンナノファイバー、シルクナノファイバーといわれる、繊維を直径 10～20 nm※3 以下、長さ 数μmのサイズへ微細化した自然由来の極細繊維素材です。
高機能でサステナブルな素材として注目されており、樹脂や化粧品、顔料、塗料など様々な分野で研究と活用が進んでいます。
工場内 写真
実験室の様子
湿式微粒化装置の大型機を設置した実験室
用語・補足
※1：へき開
ここでは、微粒子化の1つとして紹介しています。
結晶構造の物質が、平らに決まった面で割れる性質のことで、粒子をなるべく破壊せずに、層
状の物質をより薄く剥がすことで、原料の機能をより引き出します。
※2：μm（マイクロメートル）
百万分の1メートルのことです。
※3：nm（ナノメートル）
十億分の1メートルのことで、髪の毛の直径（約0.1mm）の約1万分の1が10 ナノメートル
となります。
―本件に関するお問い合わせ先―
■株式会社スギノマシン■
プラント機器事業本部 生産統括部 微粒装置部（早月事業所）
TEL：(076) 477-2514
