HEALTH AND SAFETY
労働安全衛生
方針
経営方針に基づき、早くから「安全」を経営の最重要課題の一つと位置づけ、労働災害撲滅に向けて危険予知活動や設備の安全対策化の推進、安全衛生教育体系の整備などに取り組んできました。社員の安全衛生の確保は企業存続の基盤であり、企業の社会的責任であると認識し、2018年に「スギノマシン安全衛生基本理念および方針」を改めて制定しました。労働災害ゼロに向け、スギノマシングループ一丸となって安全衛生活動を推進しています。
スギノマシン安全衛生基本理念
「安全と健康を守ることは全てに優先する」
スギノマシン安全衛生基本方針
1. 法令および社内規程類を遵守し、社員の安全衛生を確保する。
2. 労働災害ゼロをめざし、職場のあらゆる危険有害要因を排除するため、社員全員参加のもとリスクアセスメントを実施し、「危険ゼロ」の安全で快適な職場作りに取り組む。
3. 社員の疲労やストレスを軽減し、心身の健康保持増進に取り組む。
4. 全社員とのコミュニケーションを良好にし、全員参加の安全衛生活動を推進していく。
5. 社員教育及び社内広報活動を通して、安全健康意識の高揚に努める。
6. 安全衛生活動の実行にあたっては、適切な経営資源を投入し、効果的な改善を継続的に実施していく。
2018年2月7日制定 株式会社スギノマシン
労働安全衛生管理体制
スギノマシンは、社長が安全衛生の最高責任者を務め、法令に準拠した安全衛生管理体制を構築しています。各事業所の総括安全衛生管理者および労働組合代表などで構成される中央安全衛生委員会は年3回開催し、社員の労働災害および健康障害防止のため、安全および衛生管理に関する基本方針・計画の作成、リスクアセスメントや教育実施のための施策に関する事項を決定し、施策の進捗確認、社長への報告および事業所安全衛生委員会への指示を行っています。
各事業所の総括安全衛生管理者、安全管理者、衛生管理者、労働者などで構成されている事業所安全衛生委員会は月1回開催され、中央安全衛生委員会での決定事項の共有をはじめ、労働災害状況の把握と再発防止策の決定、社員の危険および健康障害の防止や健康保持増進などに関する諸施策を決定し、社員へ共有、指導を行っています。また、労働安全衛生法令、安全衛生ルールや過去の労働災害の記録、研修資料など、安全衛生に関する情報は、イントラネットの安全衛生掲示板に集約し、全社員がアクセスして確認できる仕組みにしています。
国内グループは各社で安全衛生管理体制を構築し、安全衛生活動に努めています。スギノマシンと国内グループは、管理部門間で連携を図り、安全衛生活動向上に取り組んでいます。
なお、海外グループの生産拠点は、各社10人程度、最大でも30人程度のため体制には含まれていませんが、安全衛生の状況は現地責任者と当社の管理部門間で情報共有を行っています。
安全衛生管理体制図
目標・実績
スギノマシンは、労働災害、通勤災害の発生ゼロを目標としています。
2023年度は、休業災害1件、不休災害8件、通勤災害11件が発生しました。
労働災害発生の防止に向けた取り組み
当社の労働災害の多くは切り傷や転倒など軽微な傾向にありますが、各事案に対しては直ちに原因を究明し、作業手順の見直しを行っています。労働災害が発生した際は、24時間以内に各事業所に情報が発信され、類似災害発生防止に努めています。また、新しい設備の導入時には、設備の安全審査を行い、使用時の安全が十分確保されているか確認してから使用を開始しています。
通勤災害は、後続車からの追突や冬季の路面凍結時のスリップ事故が多い傾向にあります。当社は車通勤の社員が多く、冬季は雪道運転で事故の可能性が高まるため、通勤災害撲滅にも注力しています。
なお、社員の安全性確保のため、外国籍社員は日本語能力が高く、コミュニケーション可能な人材を採用しています。
労働災害・通勤災害の発生状況
種別 | 単位 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
労働災害 | 休業災害 | 件 | 2 | 2 | 0 | 1 | |
不休災害 | 4 | 4 | 7 | 8 | |||
通勤災害 | 23 | 21 | 17 | 11 | |||
総労働時間 | 千時間 | 1,906 | 2,227 | 2,159 | 2,179 | ||
損失日数 | 日 | 87.9 | 50.1 | 0.0 | 0.8 | ||
休業災害度数率*1 | — | 1.05
(0.28) |
0.90
(0.31) |
0. 00
(0.30) |
0.46
(0.32) |
||
休業災害強度率*2 | 0.05
(0.03) |
0.02
(0.03) |
0. 00
(0.02) |
0.00
(0.02) |
※ スギノマシン(単体)を対象としています。(スギノマシングループ従業員に占めるカバー率:77.5%)
*1 100万延べ実労働時間当たりの労働災害による死傷者数をもって災害発生頻度を表したもの。( )内は製造業産業平均
*2 1,000延べ実労働時間当たりの延べ労働損失日数で災害の重さの程度を表したもの。( )内は製造業産業平均
安全パトロールの強化
スギノマシンでは、労働災害撲滅の施策として最も効果的であるのは安全パトロールと考えており、各種パトロールを実施しています。パトロールの際は法令遵守やルールを徹底するため、約140項目あるチェックリストを用い、未然防止に努めています。パトロール結果で重大な問題が発見された場合は中央安全衛生委員会に報告し、計画や施策に反映しています。

安全パトロール実施状況
名称 | 頻度 | 実施内容 |
---|---|---|
事業所相互パトロール | 年2回
(7月・10月) |
いつもと違った視点で危険要因を指摘し改善させ、安全で快適な職場をつくることを目的に、7月の安全週間と10月の労働衛生週間に、滑川事業所と早月事業所の事業所安全衛生委員長・安全管理者・衛生管理者が入れ替わり、それぞれの職場責任者の案内のもと、事業所内をパトロールします。管理部門の安全衛生スタッフは両事業所でパトロールに加わります。パトロール結果は、相互に各事業所内で展開し、事業所間の管理レベルを同調させ、かつ全体レベルの向上に役立てています。 |
事業所トップパトロール | 月1回
(7 月・10月を除く) |
ルールに沿って危険因子を指摘し、ルールを悟らせ改善につなげ、安全で快適な職場をつくることを目的に、事業所の安全衛生のトップである事業所安全衛生委員長と安全管理者・防火管理者・安全衛生顧問・事業所事務局スタッフが自事業所のパトロールを行います。パトロール結果は事業所内で展開し改善状況を確認・アドバイスすることにより、事業所職場責任者と部署員の遵法に基づいた安全衛生管理意識の向上に役立てています。 |
職場のパトロール | 毎週1回 | 主に6Sチェックを行い、危険因子を指摘し改善させ、部署レベルでの安全で快適な職場をつくることを目的に、製造部員3~4人が自事業本部の製造エリアをパトロールします。パトロール結果は事業本部内で展開し改善状況を共有することにより、パトロール員がルールを学び、危険に気付く能力の向上に役立てています。 |
安全衛生委員会パトロール | 月1回 | 業務内容が異なる部署の目線で危険因子を指摘し改善させ、安全で快適な職場をつくることを目的に、さまざまな部署の所属員から構成される安全衛生推進委員6~10人が自事業所をパトロールします。パトロール結果は事業所内で展開し、業務が異なる部署の危険に気付く能力の育成と、その危険に対するルールを学び理解し改善することにより、業務が異なる部署相互の事故防止に役立てています。 |
産業医パトロール | 月1回 | 作業環境や作業方法の状況を確認し、社員の健康障害の発生を防止することを目的に、産業医と事務局スタッフおよび衛生管理者または安全管理者が各事業所をパトロールします。パトロール結果は事業所内で情報共有し、随時管理状況を確認・改善を行い、快適な職場環境を維持することにより、社員の心と体の健康を守っています。 |
研修の実施
スギノマシンでは、2020年度からリスクアセスメント研修および危険予知訓練を全社員が必ず1回受講するよう義務付けています。過去4回の実施で全社員の約半数が受講を完了しています。全社員の受講が完了するまで、継続して研修・訓練を実施します。また、当社は社有車の利用者が多いため、社有車利用の可能性がある社員には、社有車免許を交付し、社有車免許取得者のみが社有車を運転することを認めています。社有車免許取得者850人には、eラーニングによる交通安全研修を年1回受講することを義務付けています。研修を受講すると社有車免許を発行し、徹底したルールのもと、社員の交通事故防止に取り組んでいます。
このほか、法令で定められた雇い入れ時に実施する安全衛生教育は100%実施しており、フォークリフトのフォローアップ研修や職長教育、各種安全衛生関連資格取得の推奨などを通して、安全性向上に役立てています。
なお、2022年の本社移転の際には、新たな作業環境における安全衛生教育を実施し、対象72人のうち67人が受講しました(カバー率:93%)。また、毎年、新入社員全員に対して安全運転講習を実施し、入社後早い段階において安全運転意識の醸成に尽力しています。
安全衛生に関する主な研修・教育の実績(2023年度)
研修テーマ | 対象者 | 頻度 | 参加人数 |
---|---|---|---|
交通安全研修(eラーニング) | 社有車を利用する可能性がある社員全員 | 年1回 | 850人 |
リスクアセスメント基礎講習会 | 未受講者 | 年1回 | 54人 |
危険予知訓練 | 未受講者 | 年1回 | 54人 |
保護具説明会(ヘルメット、保護メガネ) | 保護具を着用する部署の所属長 | 不定期 | 40人 |
化学物質管理者講習(eラーニング) | 化学物質管理者に選任された社員 | 不定期 | 28人 |
保安防災
スギノマシンは地震や火事などの災害に備え、各事業所で年1回防災訓練を実施しています。また、各事業所には自衛消防隊を設置し、所轄の消防署へ防災計画を提出しています。
健康保持・増進
スギノマシンは、定期健康診断受診率100%を目標としています。2023年度の受診率は100%で目標を達成しました。保健指導、二次検診が必要な社員に対しては受診勧奨を実施し、受診率向上につなげています。また、胃の検査、大腸がん検査、PSA検査、婦人科健診など、法令で定められていない項目についても実施し、がんの早期発見に役立てています。
メンタルヘルスケアについては、年1回ストレスチェックを実施し、集団分析結果を職場環境の改善に役立てています。心身に不調のある社員が気軽に相談できるよう、電話健康相談窓口(24時間365日)を設置し、健康、医療、介護、育児、メンタルヘルス、医療機関情報提供などの相談に対応しています。また、係長以上の役職者向けに、心身の不調を抱えた社員への対応などを相談できる電話相談窓口(平日10:00~16:00)も設置しており、専門家の意見を聞くことができます。
フィジカルケア、メンタルヘルスケア(セルフケア、ラインケア)に関する情報はイントラネットで発信し、理解増進につなげています。
健康診断受診率
種別 | 対象範囲 | 単位 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 |
---|---|---|---|---|---|---|
定期健康診断 | 単体 | % | 100 | 100 | 100 | 100 |